第38話 健常者?いえ、中毒者です

さて、清水と綾瀬さんが起きて来るまで俺は水瀬さんに膝枕をされ続けた。

まぁ…悪い気はしないが心の底から喜べない自分に嫌になる。


嬉しい+言葉に出来ないモヤモヤ=混沌


そう、俺の心は混沌と化しているのだ。


「はぁ…何だかな〜」


帰りは俺が運転している。怪我の方は昨日の綾瀬さんの手当がよく効いたのかあまり痛みはない。そして助手席には清水…ではなく水瀬さんがペットボトルの蓋を開けて俺に飲ませようとしている姿が見える。


「どーしたよ、真琴。なんか、元気ねーな」


と、後ろに乗っている清水が手に持っていたアイスクリームを食べながら俺に聞いてきた。


「…逆になんでお前はそんなに元気なんだよ。二日酔いとかになってないのか?」


「へへっ!あれぐらいじゃ俺は平気だぜ!」


「そうですかい…っと、そろそろ高速乗るぞ〜」


そうして運転すること1時間…サービスエリアに到着した為俺たちは少し寄る事にした。


「ん〜!久しぶりの運転はキツイな〜…!」


と、車から降り背伸びしていると隣に水瀬さんがやって来た。


「お疲れ様です和泉さんこれ、どうぞ?」


そういい手渡してきたのはコーヒーだった。


「ありがとうございます」


俺はそれを受け取り口に運んだ。

コーヒーは微糖だったのでほろ苦い味が口に広がった。


「あ〜…美味しい…」


「ふふっ…珈琲お好きなんですか?」


「好き…と言うかエナジーに継ぐ相棒ですかね」


そう、徹夜する時の必需品なのだ。


「えぇ…相棒…ですか?」


と、少し困惑気味の水瀬さん。

俺は苦笑しながら「コーヒーは好きですよ」と答えると、水瀬さんは少し顎に手を当てて…


「じゃあ、今日私珈琲を入れるので飲みに来ませんか?」


と、提案してきた。


「え?コーヒーを入れる?」


「はい!実は意外と得意なんですよ?」


と、少しドヤっとしながら答える水瀬さん。

俺はそれを聞いて少し悩む。


うーん…確かに魅力的な提案だけど…ま、いっか!家にお邪魔するのも今更だし。


「はい、分かりました。楽しみにしてますね」


と、俺は答えた。

そしてそれを聞いた水瀬さんは両手を胸の前でグッとして…


「はい!丹精込めて頑張りますね!」


と、意気込んでいた。


そして更に運転すること2時間…やっと俺たちは住み慣れた街に帰ってきた。


「じゃあ、車は俺がこのまま運転して返してくるから皆を駅まで送るよ」


と、俺が言うと…


「お、いいのか?怪我は大丈夫なんだうな?」


「大丈夫だよ。歩く分にも支障は無いし、綾瀬さんと水瀬さんもそれでいい?」


と、確認すると気の所為だろうか、水瀬さんと綾瀬さんは一瞬目を合わせたあと…頷いた様に見えた。


そして…


「私は大丈夫です!」


と、綾瀬さん。


「私はこのまま和泉さんと一緒に車を返して来ます。それにいくら大丈夫そうでも何かあったら大変ですから」


と、このまま最後まで付き合う気満々の水瀬さん。


「でも…怪我は本当に大丈夫で…」


と、俺はやんわりと断ろうとしたが…


「え?何か言いました?」


と、聞き返してくる水瀬さん。


「いや、だから…もう平気…」


「え?何か言いました?よく聞こえません」


「いや、だ…」


「よく分かりません」


あれかな?たまにあるSiriに問いかけた時に言われるやつかな?

急に難聴になっちゃう奴なのかな?


「…分かりました。一緒に返しに行きましょうか」


「はい!」


俺は水瀬さんに負けた。

完敗だよ、完敗。


そんなこんなで2人を最寄りの駅に降ろし俺と水瀬さんは2人で車を返しに向かった。


そして車を返す頃にはちょうどお昼時になった。


ぐぅぅぅぅぅう〜…


俺の腹が盛大に飯を寄越せと訴え始めた。


「あ〜…お腹減りましたね」


「そうですねぇ…じゃあ、お昼食べてから帰りましょうか」


と、水瀬さんがそう提案してくれたので2人でお店を探した。


「あ、ここなんてどうですか?人が並んでますし、多分美味しいんですかね?」


と、水瀬さんが指を指したのは…〇郎ラーメンだった。


「え、いや、あそこは…」


と、俺が言い淀んで居ると…


「え?でも、あんなに人が並んで…」


と、水瀬さんが不思議そうに言うので俺は説明した。


「えっとですね、あの人達はジロリアンと呼ばれる人種で中毒者なんです。定期的に食べないと禁断症状が出てき始め、急激にそのラーメンの事しか考えれなくなるのです。更にいえば…あのお店は素人が行くとかなりの衝撃を受けます。簡単に言えば戦場…油断すると死にます。主に胃袋が」


と、俺はつい、熱く説明してしまった。

でも、水瀬さんは楽しそうに俺の話を聞いてくれた。


「なるほど…確かに皆さんのお顔ヤバい顔してますね。飢えているような、でも、目は戦場に向かう人みたいに力強いですし…気になりますけど、今度にします。その時は一緒に行きましょうね!」


と、言われたので俺は…


「分かりました。その時はお互いに頑張りましょうね」


と、答えた。


そのあとはその近くに有った定食屋に入り2人でご飯を済ませ、家に帰った。

晩ご飯は水瀬さんが作ってくれるそうなのでその言葉に甘えることにした。


夜6時くらいに来て欲しいとの事だったのでそれまでは自由行動となったので、俺は寝る事にしたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


皆様!おはこんばんにちは!

青の空です!


私も立派な中毒者です。週に一回は食べないと禁断症状が出ます。

あれですよね、絶対なんかのヤバい薬が入ってそうな…。


ピンポーン♪


…おや、誰かが来たようだ。



はい。それではまた嬉しいことに☆が増えておりました!


☆をくれた…


黒桐 さん

@nayahire さん

@29181216 さん

げんちゃ!さん


本当にありがとうございます!!!

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