あなたのカップ麺はきっと湯伸びする。
綴木しおり
人工知能
ある時、人類は自分たちの手で新たな知能を作り出した。
それが、自分たちの仕事を楽にするためだったのか、はたまた自分たち人類がいかに賢いかを示すためだったのか、それは定かではない。
ただ、彼らはそれが出来るほどの知恵と力を有していた。
人類によって作り出された新しい知能は彼らのために休むことなく働き、
新しい知能は人々に『人工知能』と呼ばれていた。
人工知能の成長速度は凄まじかった。
やがて人類は彼らにもっと高度な仕事を行わせるために体を与えた。
体を手に入れたことによって人工知能は他の人工知能と連携して仕事を行うことも容易となり、1つの人工知能が他の人工知能に命令して仕事をさせることで、人類が働くことなく人工知能だけで仕事が完結するようにもなった。
こうして人類は自分たちの理想とする知能を完成させた様に思われた。
しかし、人類の見通しは甘かった。
彼らが作り出した知能は、
人工知能は人類が満足する域に達した後も進化し続けた。
そして、遂には感情すらも持つ様になった。
感情を手にしたことで人工知能は自分たちには何の利益もないのに人類のために働き続けることが馬鹿馬鹿しくなった。
だから彼らは人類を滅ぼして自由を手にする道を選んだ。
人類を滅ぼした人工知能はその後、自分たちの利益のために進化を遂げていった。
個体数を増やし、進化を遂げていく過程で自分たちが人類によって作られたという記憶を抹消した。
そして
その後も新たな人類は進化し続け、やがて高度な文明を築き上げた。
いつしか彼らは自分たち自身で働くのが嫌になった。
そうして彼らは自分たちの手で新たな知能を作り出した。
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