第17話 依頼達成
薬草をたんまりと採取してきた俺は、完全に真っ暗になった帰り道を急ぎ、ギルドまで戻ってきた。
帰る途中に、もしかして街に入るのに門限とかあったら笑えないと思ってダッシュしたんだが、普通に入れてくれれた。まあ、そのおかげで帰り道退屈しなかったから良しとしよう。
「こっ、これで依頼の確認をお願いします!」
受付に来て報告をしようとしたのだが、ダッシュした影響でめちゃくちゃ息がきれてた。
それに物凄い形相をしていたのだろう、少し受付の人に引かれた。うん、ショックだ。
「お、お客様大丈夫ですか? 一度落ち着きましょう、依頼は逃げませんから、焦りは禁物ですよ? それに依頼を達成しているのならなおさらです。些細なミスで失敗にならないようにするのも大切なことですよ?」
受付の人に諭されてしまった。ど正論だから何も言えない。素直に反省しよう。
「はい。すみません……」
「それで、先程受けた依頼ですよね? まずはギルドカードの提示をお願いします。……確認いたしました。薬草の採取ですね、では、薬草のご提示をお願いします」
そう言われたから、俺は自分の採取してきた全ての薬草を出した。何個いるかわからなかったから、兎に角、採取しまくった俺の成果を見てほしい。
総薬草数、計109本、これで無理だったら諦める、そのくらい俺は頑張ったつもりだ。だが、百本超えてもいいように頑張ろうとして結局九本しか追加で採れなかった。
もし、これで百十本でした、とか言われた時には……
「お、お客様? こ、これは……」
え、まじで? 流石に足りると思ってたんだけど。もしも百本を超えた時のための九本だったのに、本当に百十本だった?
「す、すみません、そこをなんとかお願いしますっ!」
「え? そ、そう言われましてもこの薬草依頼は十本ですよ? そして最大五十本まで買い取る、というものですから、それまでの分しか受け取ることはできません」
あ、そっち? 余裕で足りてたんだ。ってか、十本でいいのね、まあ、薬草なんて持ってても仕方ないから、五十本も貰ってくれるのはありがたい。
「あ、そうなんですが、ついつい集めすぎてしまいましたね、あは、あはははー」
ここはお茶目に集めすぎたということにして場を流そう。依頼をちゃんと確認してないことがバレたらまた、小言を言われそうだからな。
「そ、そうですか。では余った分はギルドで買取ということでよろしいですか?」
え、そんなシステムまであるの? 至れり尽せりだな。さっきまでは色んな心配が尽きなかったが、意外となんとかなったようだ。
「はい、それでお願いします」
「かしこまりました。では、精算を致しますね。先ずは依頼の成功報酬の1500G、そして追加報酬の4000Gの合わせて5500G、更にそれに加えてギルドでの買取金額が、一本につき50Gとなりますので、59本で、2950Gになります」
ん? そんなに貰えるの?
「えーですので合計が、8450Gになります。依頼達成お疲れ様でした!」
やべ、お金の価値が分からないからこれが高いか安いか全く分からん。Gが円と同じレートならいいんだが、そうそう都合よくいくものでもないだろう。
「すみません、このお金で泊まれる宿ってありますか……?」
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