第零章 小学生編

1話 誕生。

 ――――ここはどこだ?俺は誰だ?何も見えない、聞こえない、感じない。俺は生きているのか?


「――――おめでとうございます。元気な男の子ですよ」


「――――希美きみ、よく頑張ったな」


 ――――光が見える、声が聞こえる、温かさを感じる。そうか、俺は今生まれたんだ……。


        ◆


「――――瑞人、今日からお前も小学生だな」


 俺の名前は『たちばな瑞人みずと


「うん、そうだね……」


「ん?どうしたんだ?なんかテンション低いな」


「だって、俺の価値が決まるんだもん」


 人の価値は小学校に入る時に数字化され、数字化とともにランク付けもされる。


「なんだよ、そんなことを気にしているのか?」


「そんなことって……」


「大丈夫だ瑞人、俺と希美の子供なんだから問題ない!」


「あははは!なんだそれ!」


 俺は父さんのあまりの面白さに笑ってしまった。この後の起こる出来事も知らずに……。

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