第22話 最初のタイトル→ 「打ちひしがれる。全ては才能の暴力に」 ……もはや公開羞恥プレイやな

 実はこのシリーズには、書いてはみたものの公開にいたってないというデッドストック的な話がけっこうございます。

 後から読み直して独りよがりだったりするものがそうなのですが、そんな中からちょっくらサルベージしてみたものを公開してみようかと思います。

 ↓以下、そのひとつ。


 ※※※


 自分はそこそこ有能だと思う。


 それは社会的に自分が所属する組織において、職務を果たし自分および組織の利益を十分に稼ぎ出しているという意味においてはだ。

 一社会人としての役割という意味では、少なくても及第点以上であるとの自負はある。


 ただまぁ。


 こと自らが好き好んで行っている文字を綴り物語を造るという行為に対する面では、全く出来ている気はしない。

 才能、努力、経験。

 いろんなものが足りてないことは百も承知。

 やり続ければいつか花咲く?

 その前に枯れちゃう苗もいっぱいあるさね。


 ふう……。


 いや、なんでこんなことを思ったかといえば、最近見た某映画に「物語を創造する」ことの凄まじさを感じたからだ。


 どんなに頑張ったとして自分にこんな物語が創れるのかと思うと、乾いた笑いしか出てこない。

 いや、相手は誰でも作品名を知ってるようなヒット作を出してるクリエイターだぞ。そもそも比較対象にするのがおかしいだろ--それはもちろん頭ではわかる。

 スタジアムの観客としての視点であれば、ただ単にフィールドで行われる競技に熱狂すればいいだけだ。

 しかし、曲がりなりにも「創作する」という一点のくくりで同じフィールドに立った場合、そこにあるのは残酷なまでに圧倒的な差だ。


 私はランニングを趣味の1つとしており、フルマラソンの大会にも何度も出ている。

 市民ランナーとして一つの目標となるサブ4(※フルマラソンを4時間以内で走ること)も達成した。

 その大会は確か参加者が一万人くらいの大会だったと思うが、私がそれまでの限界を越えてやっと達成したその記録の順位は二千番台前半くらいだった。

 全力を出した私の上には、それを上回る二千人以上の人間がいたのだ。


 なぜこんな話を持ち出すかと言えば、先に書いた「同じフィールドに立った場合、そこにあるのは残酷なまでに圧倒的な差」をリアルに感じたことを思い出したからだ。

 自分の前方には、自分よりも凄い人間が数多いる。

 いくら努力をしても全てのランナーがマラソンを二時間で走れるようにはならないように、小説も多くの人から認められるような作品を誰もが書けるわけではない。

 だからそれを青臭く悲観する事もないのだが、ただ、快楽を得たいという欲求はやはり理屈ではおさまらないものだ。

(ここでの快楽とは性的な意味のものではなく、何かを「やってやったぜ」という達成感・充実感とでも考えていただきたい)

 私がこれからどんなに頑張っても、マラソンのタイムを二時間も縮めるのは無理だろう。

 では小説は?

 正直、それもなぁと思う。


 ※※※


 ↑……と、ここまでが深夜に酔っ払った勢いで書いた初稿になります。

 なんというか、よっぽどショックだったみたいですね(苦笑)。

 この初稿を書いてから十日ぐらいたってから見直してみたのですが、十分に青臭いことを語っておりますのう。


 まぁ、書いてあること自体は今でも否定はしませんが、クリアな頭で考えればしごく真っ当なことでございます。

 例えば自分がサッカーが好きだとして、プロとか日本代表になれないからといってサッカー嫌いにはならないですよね。草チームでサッカーやるのは楽しいですし、自分では出来ない凄いプレーが見たければ、「観客として」プロの試合を楽しめばいい。

 本気でこの世界で何かを成し遂げてやる、という気概を持ってやってる人はともかく、アタクシを含めおそらく多くの人は主たる自分の人生のプラスアルファとしてこういう活動をしてるのではないでしょうか。


 もちろん、だからと言ってテキトーに取り組んでいいというわけではありません。「遊びは本気で遊ぶから楽しい」というのは真実だと思います。

 アタクシはといえば、正直まだ飽きる程には遊び倒せていないですし、まだまだこれからもスベリ芸は続いていくのです。


(あ、一応今回の教訓は「酔っ払った勢いでモノを書くのは気をつけましょう」です)

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