第10話

「全く同じに見えるな。」


「いや少しだけ変わっただろ。空気が。早く行こうぜ。」


「おう。あとそうだ。袋持ってるか?俺の袋スライムのやつでいっぱいだからさ。」


「俺の袋は空だから全然大丈夫だぜ。」


こいつは金をどうするつもりだったんだ?




………………………………………




今のところスライムしか出てこない。


「スライムだけだな。」


「もっと強いやつが出てこないかな?」


「ずっと気になっていたが、どうしてそんなに闘いたいんだ?戦闘狂か?」


「まぁ、その…暇なんだよ。今の世の中、ずっと檻の中にいるみたいで退屈じゃないか。自由になってみたかった。だからダンジョンが出来た時はこれこそが俺の退屈を壊してくれると確信したよ。でも多分戦闘狂に違いはないと思うぜ。」


「認めるんだな…、まぁいいけど。それにそろそろ出てくるみたいだぜ。」


曲がり角から緑色の皮膚をした醜い顔の小さな鬼がいた。


ゴブリンだ。

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