第1473話 霊界電話
亡くなった大切な人と通話ができる公衆電話があるらしい。そんな噂を聞いた僕は、どうしてもその電話を使いたくて、噂の公衆電話まで足を運んだ。その公衆電話の料金は、自分の大切な物と引き換えになるらしい。僕はそれでもかまわない。母さんに一言でも謝る事ができるのならば。
公衆電話の受話器を手に取り、ダイヤルを押す。かける相手先の番号は、噂どおりの000-0000-0000とゼロを一定の回数押せばいい。
プルルルルル。
電話のコール音が鳴った。本当にどこかに繋がったようだ。
「もしもし」
「か、母さん?」
「うん。そうだよ」
「どうしても謝りたかったんだ。母さんに僕の事を勝手に生んだくせにって言ってしまったから。ごめん」
「いいんだよ」
それからしばらく母さんと話した。そして電話を切った。僕は幸せだった。少し歩いたところで意識を失った。
ああ、なるほど。
僕の大切な物って心臓を取られたのか。
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