第1452話 超絶技巧書道
お前は字が汚いと言われる。色々な人からもっと丁寧に書けと言われてしまう。そんな俺は、ついに親から強制的に書道教室に通わされることになった。嫌々ながらも書道教室に行くと、<超絶技巧書道教室>と達筆な字で書いてあった。凄い迫力のある字だ。思わず圧倒されてしまった。勇気を出して教室の扉を開けると、頑固そうな爺さん先生がいた。
「まずは書いてみなさい」
爺さん先生は、迫力のある低い声で一言だけそう言い、筆と半紙を渡してきた。俺は字を書いた。
「うむ、素晴らしい」
「えっ?」
「実に芸術的だ」
どうやら俺の字というのは、書道の世界では、芸術的に見えるらしい。めちゃくちゃ怒られるかと思ったら、褒められたので拍子抜けしてしまった。
「もっとこう、勢いよく生きているように書けるか?」
「えっと……こうですか?」
更に雑に書いてみた。
「お前は天才だ。これからも精進しなさい」
俺には分からない世界だった。
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