第1374話 モカカフェテリア

午後のひと時。読書を楽しむため、モカカフェテリアへと足を運んだ。モカカフェテリアは、この街にある小さなカフェだ。入り口のドアを開けるとカランッと音がして、店員が声をかけてくる。

「お太りさまですか?」

「誰が太いだよ。放っておけ。一人だよ」

俺の体系をいじるこの店員は矢口。俺の大学時代の友人で、プロのバンドを目指して大学を卒業してからは、ここでバイトとして働いている。席へと案内され、メニューを開く。

「モカコーヒーとショートケーキ」

「いつものだな」

注文し、読みかけの小説を読み始めた。少し待つと注文したコーヒーとケーキが届いた。

「お待たせ。今日は暇なのか?」

「ん?ああ、まあな」

「なあ。実はちょっと頼みがあるんだ」

「金か?貸さないぞ」

「違う。ボーカルが抜けたんだ。お前歌えるか?」

「は?」

と、これが俺達のバンド、モカカフェテリアが結成された経緯だ。今はメジャーで活躍している。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る