第1210話 寄生虫
世の中には、あらゆる寄生虫がいる。俺も寄生虫の一人だ。俺はいわゆるヒモというやつで、女に養ってもらっている。この生活もいつまで続くのか。若い今ならまだ大丈夫だが、歳を取ってくると相手にしてもらえなくなってしまう。だが結婚はしたくないんだ。縛られるのが嫌いだ。自由でいたいんだ。俺ってやっぱりクズだな。いや、クズだと自覚しているだけ、俺はマシなクズなんじゃないか?世の中を見渡せば開き直ったクズも多い。そんな奴らに比べたら、俺なんてマシじゃないか。
「ねえ。いつ働くの?」
「ああ。もうちょっとしたら」
「それ先月も言ってた」
さすがにそろそろ限界か。
「今日のご飯何?」
「お刺身」
そしてその刺身を食べた俺は、激痛に悶えた。寄生虫のアニサキスだ。
「痛い痛い痛い。救急車を!!」
「じゃあ治ったら働く?」
「働きます!だから救急車を!」
恐ろしい女だと思った。俺はそれから真面目になった。
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