第963話 令嬢との再会

小説家である父のファンであり、大手財閥の会長をしている人と、その家族で旅行に行く事になった。父からは事前に言われたのが……

「お嬢様はお前と同い年だが、お嬢様に失礼ないようにな。父さんの大事なファンの一人のご令嬢なんだからな」

だった。そう言われ、俺はお嬢様に会うのに緊張していた。しかし実際に会ったお嬢様は、かなりのお転婆であちらこちらを走り回って、俺はそれに付いて行かされた。旅行先ではホテルのプールにダイナミックに飛び込むお嬢様に、俺もやれやれと思った。

そんなことがあってから十年が経過した。俺は十六歳になった。俺は父が招待されたパーティーに一緒に出席する事になった。パーティー会場で一人浮いていたら、後ろから肩を叩かれた。

「久しぶりね」

そこには、とても綺麗になったあのお転婆お嬢様がいた。

「ど、どうも……」

「何よ。昔みたいに一緒に遊びましょうよ」

そう言って、また引っ張り回された。

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