第908話 星空がくれた笑顔
君はクールで全く笑わない。
そんな君の笑顔をどうにかしてみたいと思っていたけど、なかなか見る事はできなかった。
皆でキャンプに行った日、僕は夜、なかなか眠ることが出来ずにいた。外に出て空を見上げると、満天の星空が見えていた。他の仲間達を起こすのではなく、君だけを起こそうと思い、君のスマホにメッセージを送った。
「外に出てきてみなよ」
君は僕からのメッセージに気づいて外に出てきた。
「何?こんな時間に」
「あれを見て」
僕は空を指差した。
「うわぁあ!!」
満天の星空を見ると、クールな君もさすがに感動して目を輝かせていた。
「どうして私だけにメッセージ送ったの?」
「えっ……そ、それは……。君と……そのっ……二人っきりで見たくて……」
「そっか。独り占めじゃなくて二人占めだね」
そう言って、君はにっこりと笑った。
星空が君の笑顔をくれた。
僕は星空に感謝した。
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