第899話 タブレット兄ちゃん
いつも公園のベンチに座り、タブレットをいじる知らないお兄ちゃんがいる。一体、あの人は何をしているのか。よく分からないが、いつ何時に行ってもいるので、僕らは待ち合わせ場所の目印として利用させてもらっている。
「たかし、今日学校終わったら遊ぼうぜ」
「じゃあ1時にタブレット兄ちゃんのベンチのとこで」
「オッケー」
こう言えば伝わる。
その日、小学校の授業は半日で終わるから遊ぶ時間がたっぷりある。僕は嬉しくなりながら家に帰り、昼ごはんを食べて待ち合わせ場所である公園に向かった。しかし1時になっても友達は来ない。タブレット兄ちゃんは、相変わらずタブレットをいじっている。
僕は興味本位で、タブレット兄ちゃんに初めて話しかけた。
「こんにちは。いつも何やってるんですか?」
「どのルートが子供を誘拐しやすいかと思って調べてるんだよ」
そう言ってタブレット兄ちゃんは、ニヤリとして僕の口をふさいだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます