第883話 コンプレックス

この鼻がコンプレックスだ。もっと鼻筋がくっきりした外国人みたいなのに憧れる。ニキビもあるし、私の顔は醜い。

この顔のせいで自分に自信が持てず、いつも人前ではオドオドして過ごしていた。あの人に出会うまでは。


「へいへいへーい。元気?」

「えっ……あのっ……は、はい」

「元気かあー!ならいいんだ。でも君はどうしてそんなにオドオドしてるんだい?もっと堂々とすればいいじゃないか。良い顔してるんだから」

「良い顔だなんて……。私、自分の顔、コンプレックスだから」

「それは多くの人に言われるのかい?」

「そういう訳では……ないですけど……」

「俺は気にしない。ほとんどの人は、君のコンプレックスなんてなんとも思ってないよ」

「そうですかね?」

「うん。さあ踊ろう。パーティータイムだ。人生楽しもうぜ」


その知らないパリピ男子は、私を連れ出してくれた。

ありがとう、どこのどなたか存じませんが元気出た。

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