第737話 パジャマで駆ける

片思いのあの子とのデート。俺は高揚していた。ここまで長かった。片思いしてから3年という時間が過ぎた。そんな俺に巡って来た最大のチャンスだ。映画に行ってショッピングをする。まさにデートって感じのデートだ。楽しみすぎて眠れなかった。

当日になり、俺は爽やかな目覚めだった。うん、思ったよりもよく眠れた。時間は……


「ああ!?待ち合わせまであと10分!?」


絶対に今日のデート、待ち合わせに遅刻する事なんて出来ない。幸い、家から近い場所が待ち合わせ場所だが、もはや着替える時間も惜しい。俺は財布とスマホだけを持ち、着替えをせずにそのままの恰好で家を飛び出した。パジャマで駆ける。そして待ち合わせ場所に着いた。

「はぁはぁ……」

間に合った。

「あれ?どうしたの?その格好」

「楽しみすぎて……はぁはぁ……着替えるの忘れた」

「あはは。ウケるんだけど。まずは服買わなきゃね」


あれ?意外と好印象?

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