第717話 閃光

「これ以上泣くな。お前にはもう何も残っていないんだ。親も友達も。お前に残されたものは、復讐心だけだ。だから戦え。戦って奴らを倒せ」


西暦20XX年。宇宙人の侵略により、人類の8割は死滅した。だが残された地球人も反撃の為、地下シェルターに籠り、新たな戦闘兵器<閃光>の開発に成功。そしてそのパイロットとして選ばれたのが俺だった。<閃光>の動力エネルギーは、復讐心だ。復讐心が強ければ強いほど、<閃光>の能力は飛躍的に上昇する。親と友達を宇宙人に殺された俺の怒りは頂点に達し、<閃光>の能力数値は最高に達した。


「うぉおおおおおお」


宇宙人を倒した。荒れた大地に残ったのは、宇宙人の死体の山。


「クククッ。素晴らしい。君は本当に素晴らしい。本当は君の親も友達も奪ったのは、僕達、機関の人間であるとは絶対に言えないね」


指令室では、彼の鳴り止まない怒りの声を。悲痛の声を聞きながら笑うのだった。

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