第698話 鬼が歌う
今日も鬼は歌う。最新のJ-POPだけでなくアニソンメドレーなんかもお気に入りだ。カラオケが大好きだ。歌う事が何よりも大好きなのだ。そして私は、鬼のマネージャーである。鬼は去年デビューした新人アーティストだ。デビュー曲である「鬼さんこちら。手の鳴る方へ」は、CDが売れない現代、ミリオンヒットを記録した。ファン層は子供からお年寄りまで幅広く、かなりの層にウケが良くて、これからの音楽シーンで期待されている。
「ねえ。マネージャー」
「どうしたんだい?」
「新曲なんだけどさ」
「うん」
「節分は大嫌いってタイトルなんだけどどう?節分で嫌われる鬼の気持ちを表現した曲なんだけど」
「いいじゃないか。それでいこう」
節分は大嫌いも大ヒットを記録した。この現代では、鬼も個性のひとつだとされ、恐れられるのではなく、受け入れられて、多種多様な社会の一員として認められているのである。
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