第644話 妄想チョコ
モテてモテて仕方がない。
こんなにもバレンタインデーチョコを貰ってしまった。一人でこれだけのチョコを食べきる事なんて、とてもじゃないけど出来ないな。どうしようか。
そうSNSに呟いた。実は嘘だ。
そんな妄想に浸る為、僕は自分で自分にチョコを買いまくった。沢山のいいね!がついた。凄いですね。モテて羨ましい。顔見たいです。色々なコメントが届いた。僕はそれを恍惚の表情を浮かべながら眺める。
僕はモテるんだ。そう。僕はモテるんだ。
しかしふと気づく。こんな事に何の意味もない事に。現実の僕は、全くモテないんだから。
でも僕はまたチョコを買う。
すると一人の女性が話しかけてくる。店員だ。
「ふふっ。そんなに沢山のバレンタインチョコ買っちゃって。惨めだと思わない?可哀想だから私があげる」
そう言って女性店員は、僕にチョコをくれる。
もちろんこれも妄想である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます