第541話 悲しみへホールインワン

俺がゴルフを始めたのは、一目惚れした女性ゴルファーに近づく為だった。ゴルフ女子ってどうしてあんなに可愛いんだ。俺は練習に練習を重ねて、それなりにゴルフも上達した。そしてついに彼女を見つけた俺は、声をかけた。


「あ、あの!!良かったら一緒に回りませんか?」

「はい。いいですよ」


ついに彼女と一緒にコースを回れる日がやってきた。良いところを見せようと1番ホールから気合が入る。


1番ホールは、パー。2番ホールはボギー。3番ホールはボギー。可もなく不可もなくな微妙な状態で、ホールを回っていく。


このままでは、彼女に良いところを見せられない。

そして次の5番ホール。ついに奇跡が起きたのである。俺のショットは、吸い寄せられて穴に入った。ホールインワンである。


「やったぁああ!!」

「凄い!!」

「俺と付き合って下さい!!」

「無理ー!!」


俺の思いは、悲しみへホールインワンした。

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