第523話 弱ったカエル

晴れた日、私は弱っているカエルを見つけた。


「どうしたの。随分弱ってるわね。水のあるところに連れて行ってあげた方がいいのかしら?」


私はカエルを拾い、池に逃がしてあげた。


「元気でね」


その翌日の事だった。カエルの鳴き声で目が覚めた。


ゲコゲコゲコ……。

ゲコゲコゲコ……。


「ええっ。な、何これ……!?」


大量のカエルが窓から見えた。正直気持ち悪い。


「先日は殿の命を助けて頂き、ありがとうございましたゲコ」

「しゃ、喋った!?」

「あなた様が助けたのは、トノサマガエルの中の殿様。トノサマトノサマカエル様でゲコ」

「もうトノサマガエルで良くない?」

「トノサマがお礼をしたいと申しております」

「いいですよ。別に」

「いいえ。そういう訳にはいきません。何か欲しい物はありますか?」

「お金かなぁ。なんて。カエルに言っても仕方ないけどね」


翌日、カエルから大金が届いた。

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