第310話 出会い頭

強面の男が二人で話している。


「おい、中内」

「へい。頭」

「大仁組の頭の石田の顔をお前見た事あるか?」

「ええ。一度だけ見た事ありやす」

「見てみろよ、これ」

「……何ですか?これ」

「出会い系アプリだ。こいつ大仁組の頭の石田に似てると思わねぇか?」

「ぷっ……ほんとっすね!そっくりっすね。でも本物の石田だったら爆笑っすね」

「だろ?俺もそう思う。俺が女の振りしてコイツと会う約束をして待ち合わせる。もし本物の石田なら殺っちまおうぜ」

「いいっすね」


頭はメッセージを送った。


「愛子です♪中峰駅で待ってまーす♪っと……。これでよし。おい、中内」

「へい」

「女物のカツラを買いに行くぞ。それから服もだ」

「ええ!?」

「女装してアイツと会う」

「マジっすか!?」


そして待ち合わせ場所に石田がやってきた。


「あのっ……って、てめぇ!!岩永組の!!」


こうして二人の頭は、出会った。

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