第264話 呼び鈴
僕の住む町には、都市伝説があった。山を登った先に建っている屋敷の呼び鈴を鳴らすと、とんでもない人が出てくるというのだ。その屋敷は遠い昔、お金持ちが別荘として購入したらしい。しかしそのお金持ちも亡くなり、今では廃墟となっている。夏休み、僕達仲良し4人組は、肝試しをやろうという事になり、屋敷の呼び鈴を鳴らしに行く事になった。順番に一人一人が呼び鈴を鳴らしに行く。僕はじゃんけんで負けて最後に行く事になった。一人目が行って戻ってきた。顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。何があったのか聞いても何も答えない。ただ泣くばかり。二人目、三人目が行き、また泣いていて何も言わない。不安になりながらも僕の番になり、呼び鈴を鳴らした。
「はーい」
ドキッとした。ここは廃墟のはず。怖くなった。ドアが開いた。出てきたのは死んだお祖母ちゃんだった。
「お祖母ちゃん……」
「けんちゃん。大きくなったね」
僕も泣いた。
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