第234話 金継ぎの茶碗

ガシャンッ!!やってしまった!!


おばあちゃんの思い出の茶碗を割ってしまった。僕はおばあちゃんに話した。


「おばあちゃん。ごめん。大事な茶碗割っちゃった」

「あの茶碗は、神棚のところに置いてあるから違うやつじゃ」

「そうなの?じゃああの茶碗は何?」

「じいさんが骨董品を集めるのが趣味だったじゃろ?あれも誰かから買ったやつじゃよ」

「ええ!?骨董品!?高いんじゃないの?」

「いや、どうせ安もんじゃって。じいさんは、骨董品を見る目なかったからのお」

「そっか。よかった。ねぇ、おばあちゃん。せっかくだからこの茶碗さ、俺が金継ぎしていい?」

「かまわんよ」


俺は茶碗を金継ぎした。昔、じいちゃんにやり方を教えて貰ったのだ。ある日、おばあちゃんの古い知り合いが訪ねて来た。


「おお、この金継ぎは!あの名工、富山白の茶碗か!この茶碗1000万円で譲ってくれんか?」


ここにも見る目がない人がいた。

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