第211話 しんさんとたー坊

フゥッー。屋上で景色を見ながら口にくわえた煙草を離して息を吐く。


「あっ!しんさん。またこんなところでサボッて!」

「……なんだよ、たー坊か」

「たー坊って呼び方やめてくださいよ。小さな男の子じゃあるまいし」

「俺から見りゃお前は、クソガキ同然なんだよ」

「部長がかんかんですよ」

「放っておけよ。あいつはいつも怒ってるんだ。あんまり怒りすぎると血圧上がるぞって言ってやれ」

「誰のせいで血圧上がってると思ってるんですか。部長はいつも、しんさんが暴れた後の後始末で大変なんですから。昨日だって――」


ブーブーブー!!警報音が鳴った。


「しんさん!!」

「いくぞ、たー坊!!」

「変身!!」

「変身!!」


二人の巨大変身ヒーローは、怪獣が攻めてきた街を守るために戦った。いくら気をつけても多少、街への被害は出てしまう。


「しんさん。また派手にやっちゃいましたね。部長、また怒りますよ」

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