第162話 今だ!花火を打て!

今日、彼女にプロポーズする。今日の為に念入りに準備をしてきた。まず何気ないデートをする。ディナーを食べに行く。その後で夜景を見に行かないかと誘い、山の頂上まで車で登っていく。夜景を楽しみながら話をして時を待つ。そして俺と結婚しようと言い終わるのが午後8時ジャスト。その瞬間、用意した打ち上げ花火が空高く打ちあがる。よし、完璧なプランだ。

予定通りディナーを食べ、夜景を見に行く事になった。

「わあ!綺麗!」

「夏美」

「ん?」

「思えば俺達、もう出会って3年だ。色々な事があった」

「うん」

「俺にとって夏美と一緒にいる時間は、とても居心地が良くてさ」

「何?突然」


8時まで残り3秒。


「夏美。…結婚しよう」


2,1。

今だ!花火を打て!

パーンッ!!


その瞬間、夏美が


「あ!!UFOだ!!」

「えっ!?どこ!?」

「あそこ!ほら!写真写真!早く!」


なんてタイミングが悪いんだ!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る