第132話 怖い話

「ねえ、怖い話してよ」

いきなりの彼女の無茶ぶりに、俺は何を言おうかと考えた結果、あの話をする事にした。

「俺の通ってた中学でさ、いじめられた奴が学校の屋上から飛び降りて自殺したんだ。そいつは遺書を残しててさ、いじめた奴ら全員の名前と、死んだ後で必ず呪い殺してやるって書いてたんだ」

「うん」

「それでさ、その後でいじめた奴らに不幸が次から次へと襲い掛かってきたんだ。ある奴は交通事故に遭って大怪我するし、違う奴は原因不明の高熱にうなされて1カ月近く入院した。他にも色々あった。いじめた奴らは、とにかく散々な目に遭った。そしていじめた奴らも死んだ」

「ええ、怖い!」

「俺の通ってた中学校さ、鳴中なんだ」

「えっ?瀬戸中じゃないの?」

「うん、俺は瀬戸中。鳴中は俺の姉ちゃんが通ってた」


彼女の顔が一気に青くなっていく。


「姉ちゃんの仇だ」


俺は包丁を取り出し、彼女の腹部を思い切り刺した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る