第111話 ケンタウロスは空を飛ぶ夢を見る

地上最速の称号は、私がもらった。私はケンタウロス。下半身が馬だ。だから足の速さには、絶対の自信がある。ついに目標であったチーターを越えた私は、名実共に地上最速となった。この達成感は素晴らしかった。人間で言うならばオリンピックで金メダルを獲ったのと同じ事。そう言うと、私が残したこの伝記を読んでいる人間の君にも伝わりやすいだろう。目的を達成した私は、次のステージに進む。次は水中に挑むべきか迷ったが、残念ながら私は肺呼吸。体の構造的に、魚には絶対に叶わない。ならば空か。空に挑むべきか。そうだ、空だ。空に挑むべきなんだ。空の最速の敵は、鳥だ。過去に馬が空を飛んだ話はないだろうか。

私は早速、伝説の数々を調べた。


「あった!!見つけた!!これだ!!」


空を飛ぶ馬、ペガサス。ギリシャ神話で見つけた。馬も飛べるんじゃないか!!さあ行こう!!あの大空へ!!


伝記はここで終わっている。

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