第448話 カブで

友里恵は「カブで、由布岳行こう!」



パティは「いいですね(^^)一台だと、ひとり」



由香「楽団ひとり」




友里恵「楽団かい」



由香「劇団か、コントのな」




友里恵「そっかー。タマちゃんが言ってたな。楽団ひとりって」




たまは、呼ばれたかと思って

「にゃ」



(^^)。



友里絵はカブのスタンドを掛けて。エンジンを止めて「あ、ごめんねー。キミじゃないの」



パティは「人間のタマちゃん」



由香「そうそう。向こうのね」



友里恵「向こうって言うと、なんかオバケみたい」



由香「そうかも。トトロとか」




友里恵「鉄人」



パティ「28号」




由香「それはフルすぎないか?」



と、みんなで笑う。



友里恵は「もっと、こっちに居たいなー。」




由香「うん、ならさ、トラベルライターになって」




友里恵「それ、いいかもね。」





パティ「こっち来て、国鉄でバイトしてもいいかも」




友里恵「なんか、ある?仕事」



パティ「いっぱいありますよー。メイドさんとか。」



友里恵「ごしゅじんさまぁ」



由香「そっちじゃなくて」



パティ「ハイ。寝台車のお掃除して、ベッドメークして」



友里恵「それも、いいかもね。安定してて。バイトだって。」



パティ「社員にもなれますよ、それは」




友里恵「そうなんだ」


パティ「ハイ。ほかにも・・・電車のお掃除とか、割と、ありますよ。」






由香「こっち来るとあるんだね」




友里恵「それは、向こうにもあったけど、なかなか入れない」




パティ「そうなんですか?」




友里恵「うん。女の子の仕事じゃないとかで。割と、おばさん、おじさんメイン」



由香「ああ、新幹線の掃除?」



友里恵「そう。でも、ブルートレインの車庫は無いから、わかんないけど。」




由香「そうだね。新幹線の掃除って深夜だし。ベッドメークとかないからなぁ」



友里恵「いろいろあるんだね、仕事。」




パティ「ハイ。女の子なんだし、そんなに難しく考えないでもいいって。」




友里恵「船乗りのお父さん?」




パティ「ハイ。」



由香「ピンカートンさまは、今日は?」



パティ「お船の上」





友里恵「♪~海はよーぉぉお~♪」


由香「歌うな」



パティ「ハハハ。」





玄関から、パティのお母さん。


サンダルをつっかけて、とことこ。



ゆっくり、のんびり。



「ごはんは?」



パティは「うん、きょうは、向こう。」




そう・・・と、のどかな、小柄な、穏やかな・・・お母さん。



「こんばんは。パティがお世話になっています」と、友里恵たちにお辞儀。



友里恵は「え?あ、いえいえ・・・旅の恥はかき捨て」



由香「ナニ言ってんの」



お母さんも、ほがらかに笑って「仲良くしてあげてくださいね」と。



とことこ・・・玄関に戻る。




友里恵は「ねえ、パティのお母さんは、今晩、ひとり?」



パティは「ハイ。」




由香は「ほんじゃさ、晩御飯、一緒にしない?KKRで」




パティは「ハイ。ありがとうございます。ちょっと聞いてくるー。」と、

ぱたぱた。


玄関に。





戻ってきて「ハハは草食なので、今夜はご遠慮しますって」




友里恵は「お洒落なおかーさんだね」



由香「オマエが煩いからなぁ」



友里恵「ハハハ」



由香「笑って誤魔化すね」



友里恵「毎日が楽しくて~笑うしかない~」



由香「アカルイやっちゃ」




パティ「ハハハ」


由香「コイツと一緒に居て、愛紗もおかしくなった」




友里恵「アホは伝染るからなぁ」



由香「自分で言うな」



友里恵「ハハハ。」

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