第314話 ニホンゴ、ワカリマセーン

愛紗たちは、お風呂から上がって・・・。


浴衣を着て。羽織って。

タオルを下げて。よくある温泉スタイル。


お風呂の、

すぐ目の前にあるエレベータで4階へ。



菜由は「友里絵ちゃんたち、2階の露天ね」


だいぶ、温まったので、ほかほか。



さかまゆちゃんは「のんびりしてますね」


ともちゃん「露天、すずしいから」




エレベータは、荷物用なのか

普通に、金箔なんて貼っていないから


菜由は「こっちの方がいい」


ともちゃんは「はい。なんか、金ぴかだと・・・落ち着きませんね」


うふふ、と・・・さかまゆちゃんも

口元をおさえて、笑った。


4階。



回廊から見える中庭は、もう、夕暮れの雰囲気。


由布岳も、夜、の様相。



菜由は「友里絵たち、呼んでこないでいいかな?」


愛紗は「そんなに入っていられないでしょ?茹でたまごになっちゃうし」



そうね、と・・・みんな、笑って。


お部屋に戻った。








友里絵は、お風呂から出て「あー、あったまった!」と。

全身ピンク(^^)。


由香は「あったまりすぎかも」


パティは、もともと白いから、ももいろ。


「あたたまりましたねー。」と、にこにこ。



友里絵は「みんな、ピンクだねー。」


由香は「動画撮れば」


友里絵「ピンク映画」


由香「ふっるー」



パティは「なんですか、それ?」



友里絵「じゃ、ももいろクローバー」


パティは「それはわかりますー」


とか、めいめい。


サンダルをゲタ箱から出して。コンクリートのテニスコートの上を


すっぺた、すっぺた・・・。歩いて。



友里絵が「結構、音響くね」



由香が「うん、ここのお部屋とか、気になるね、寝てたら」


パティは「静かにあるきましょ」



友里絵も、静かにあるこうとするけど、難しい。



ずるっ、ぺた。ずるっ、ぺた。



「あーん、難しい」(^^;



由香は「不器用なやつ」と、笑う。



そのうちに、階段のところまで来て。



「これは、仕方ないよね」と、友里絵は

サンダルで、ぺた、ぺた。


一段ずつ歩く。



由香は「つま先で歩けば音しないよ」



友里絵は「つま先で・・と。」

階段を上りきっているのに、もう一段足が空を切って。



「おっとと」(^^;



由香「不器用なやつ」


パティは「かわいいデスね」


浴衣の上に、羽織。でも・・・


ぼいん、ぼいーん(^^)。が、はみ出しそう。


由香は「出てるよ」


パティは「あ」と、羽織の前を押さえて。



友里絵は「日本の着物って、どーしてもねぇ」


由香「昔はさらしで巻いたとか・・・。」


パティ「痛そう」



友里絵は「その痛さが、いつかカイカンに変わるのだ」


由香「なんか、来たなぁ」


友里絵「怖がることはない。おじさんと一緒に危ない世界へ行こう」



由香「誰がおじさんなんだ」


パティは「ドクター秩父山ですか」




由香は「なにそれ?」




友里絵「ハハハ」と・・・・2階の吹き抜けを見下ろしながら・・・

「プラネタリウム、始まるのかな」


なんて。



言いながら、エレベータの△ボタンを押した。




エレベータ・ホールには

ビールの自販機がある。



友里絵「お」



由香「飲むのか」



友里絵「230円だって、結構高いな」



パティは「スーパーで買ってくれば」




由香は「ハハハ。菜由みたい」


友里絵「ここ、いいんだっけ?持ち込み」



パティは「ハイ。KKRですから。営利目的ではアリマセーン」



友里絵「なんか、そのカタコト日本語だと、似合うね」



パティ「ズット、コーシマショーカ」



由香「読みづらいから止めよ」



パティ「ハハハ」




友里絵「あ、エレベータ来た」



荷物用っぽいエレベータは、止まってから、ふわ、と

すこし位置がずれて。



友里絵は「なんか、ふんわりするね」

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