第228話 わけんしんのす

中華のお店は、水曜日だけどお昼なので

賑やか。


友里絵は「賑やかなのも、いいね」

由香「そうだね、中華って感じ」

菜由「面白いね、その感じ」

真由美ちゃんは「活気がありますね」


愛紗は「美人のウェイトレスさん、いませんね」


友里絵は「そりゃそうだよ。喫茶店だった頃の話だし」


と。


並木道沿いの、景色がよく見える席に。5人。

まーるいテーブルで、よくあるように

真ん中に回転台があって、お料理を沢山置いて

取り分けられるようにと。

なので、何人でも座れる。


道路は坂道なので、見下ろすように熊本の街並みが。

結構、登ってきたのだった。


道の向こう側は、熊本城と、その前にある広場。

きょうは、広場でFMラジオのサテライトが出ているようで

何か、賑やかな感じ。

朗らかなお姉さんが、しーちゃん、と呼ばれて、はーい、とか

のどかにお話しながら。音楽を掛けている。


真由美ちゃんは「音楽が好きな人が、よく聞いてる放送だそうです」


由香は「そうなんだ。えーと・・・熊本シティFM・・か。」

友里絵は「うちの方じゃ入んないよ」


真由美ちゃんは「なんだか、インターネットで聞けるそうです」


菜由は「ふーん。あとで聞いてみよう」



5人は、それぞれ、メニューを見たけど。


みんなで太平燕を食べてみよう、と言う事になって。


友里絵は追加で小籠包と、茹で餃子。「みんなで食べよ」と、にこにこ。

由香は「じゃ、あたしは春巻きと・・」

愛紗は「麻婆豆腐と」


と、それぞれ。みんなで豪華なお昼(^^)。



友里絵は「わけんしんのす、ないのかな」


真由美ちゃんは「・・・それは、ないみたい」



由香は「何それ?」


友里絵は、由香に耳打ち「若者のアヌス」


由香「えーーー!!そういう趣味!?」



友里絵「男は黙って菊印」

にかっ、と。歯をだして笑う。


真由美ちゃんは「あ、イソギンチャクですよ」

にこにこ。


菜由は「はー、びっくりした」

冷や汗冷や汗^^;


愛紗は「・・・・・。」

無言(笑)。




由香は「なんだ。まあ、似てるのかな・・・でもなんで若者なんだろね」


友里絵は「だーからーぁ。ショタ好きが多いんでしょ」


由香「・・・・なるほど、女だったら普通だもんね」


菜由「普通か?それ食うの」


由香「・・・そっか。ハハハ。」


友里絵「女はこーまん」


菜由「おい。」


友里絵「高慢だよ」


由香「オマエなぁ、国語0点だろ」



友里絵「16点」



菜由「100点満点で?」


友里絵、ほっぺたふくらませて「そーだよ」


由香が、わはは、と笑う。「それでも生きていけるんだ、この世は。

悩むことはない!」



愛紗は「そうだよね」


友里絵「いや、納得されてもな・・・。」


愛紗は「ごめんなさい」



ははは、と、みんな笑顔で。



太平燕が出来てきた。



とーっても大きいどんぶりで。


友里絵は「さーぁ、食うぞー!」と、張り切って。腕まくり。


由香「食うときも元気だなぁ」と、にこにこ。



友里絵は「女の子は元気が一番!」


由香「それ、タマちゃん説だろ」


友里絵「そう。初めて会った頃のあたしは、荒んでてさ。


「シーらねーよ、そんなもん・・・。」って感じで。」


友里絵は、半目開きで、歪んだ口の真似。



真由美ちゃんは「変顔、上手いですねー」と、パチパチ。

「食べきれるかなー」と、ちょっとハテナ顔。


由香は「いつも変顔だしな」



菜由は「ハハハ」



愛紗は「ごはん飛ばしちゃうから」と、笑顔。



友里絵は「真由美ちゃん、余ったらあたしが食うから」


真由美ちゃんは「あ、じゃ、食べ残しだと悪いから、先に取って下さい」と

どんぶりを薦める。


回転台に載せて。



友里絵は「おー、こういう時の為にあるのか!」と。

半分くらい取った。



由香「おいおい、あんまり取るなよ、それじゃさ・・・。」


真由美ちゃんは「いいです、それでも多いくらい」

と、にこにこ。



菜由は「少食なのね。でも、ちゃんと育ってて。」


真由美ちゃんはふんわりで。背丈は、友里絵よりはちょっと大きい。

ひとつ年下だけど。

「このどんぶり、大きいから」と。



愛紗は「そうねー。3人分くらい入りそう」


友里絵は「ほとんど野菜だよ、でも」と、山盛りになった自分の丼を見て、にこにこ。



由香は「これが麺だったら結構、ボリュームあるよね、ほんと」


友里絵「春雨なのかな、これ・・・ビーフンじゃないの?」

と、食べてみて。こりこり。



白菜、人参、いんげん。鶉の卵、イカの切ったの。

海老。干し鮑、きくらげ。もやし。

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