第583話 fugitivefrom

「うん。学校の先生も心配してないよ、電話しといたから」と、めぐはにこにこ。




「そっか。」と、リサは言い




ちょっと、海辺でも行こうか、って



長い、ホームにちょこんと止まっている

白い、ディーゼルカーを見た。




エンジンが掛かっていて、車体をぶるぶる

震わせて。



がらがら、と音を立てているディーゼルカーは


そういえば、架線の下に止まっている、

海辺の方へ行く、1両だけ。



四角い窓に、行き先を書いた板がぶら下がっている。




どことなく、おおきな老犬のような

愛らしい雰囲気に



めぐは、あの岬のわんこ、さむくんを

思い出して、ちょっと寂しくなった。



でも、めぐは魔法使いだから



いつでも、会いに行けるけど。



------------------------- 第857部分開始 -------------------------

【サブタイトル】

createt


【本文】

そんなふうに、魔法使いになれるってことば

いい事ばっかりでもなかった、と


めぐは、ディーゼルカーのステップを昇り

なんとなく、油の臭いがする車内に入りながら


思う。




ルーフィに会って、めぐは

魔法使いの血統だと知ったけど


でも、望んでなった訳でもなかったり。




そして、彼との生まれの違いで

恋に悩む事になったり。





さむくんに、いつでも会えるのは

いい事だけど。





その力で、リサの心を救ってあげられたので




やっぱり、魔法使いで生きていくのかなあ、わたし(笑)なんて



思ったりもするのだった。





揺れる18歳である(笑)。




理論的よりは情緒的だから



結論が不安定なのだ。


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