第580話 greenlight

かわいらしい夢想をするめぐを、ミシェルは

好きなのだろう。



それは、欲望?



ミシェルのものにしたいと思うなら、欲望かもしれない。




でも、ミシェルはめぐを愛しているから


めぐの嫌がる事はしない。



めぐが、喜んでくれればそれでいい、

そう思っている。




それは、もちろん生き物としての性、ではなくて



愛らしい心もち、仕草、そんなところが



ミシェルの心を捉えたのだろう。




その、めぐは



今、この世界にいない魔法使いルーフィに

心奪われていたりするけれど




いつか、ミシェルの気持ちを

有り難いと気づく

ようになるだろう。





でも。





ミシェルに恋している少女、セシルは



報われなくなってしまう。




それは、仕方ない事だけど、この国は

男女1:1が当たり前なカップルの在り方である(笑)。





いつか、めぐが大人になってしまい

今の魅力を失うかもしれない。



自分の魅力が、身体にあると思って


はしたない格好をしたり。



荒んでしまって、言葉が荒れるかもしれない。




あるいは、損得勘定で

自分を高く売ろうとするかもしれない。




そうなった時、果たしてミシェルは

めぐを愛しいと思うだろうか?





否、かけがえのない心は

生活がどうであれ、変わる事はないはずであるから



めぐが、そんなふうになる事はないはず、である。






もちろん、ミシェルも、セシルもそうだろうし



リサや、れーみぃ、Naomiもそうだろう。




この国は、神様たちが護ってくれているのだから。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る