第456話 car wash

もの想いに耽る間もなく

回送1列車は

車庫に着く。


と、同時に


洗車ラインで、車体の外回りを洗う。




短いトンネルみたいな、洗車機を

列車は、くぐり抜けるのだ。





お湯が掛けられて、ブラシにシャボン玉。




くるくる。




「おもしろいねー」と、れーみぃは


にこにこ。




列車の中から、見る事なんて

めったにない。




アルバイトなんてあまり縁の無かったれーみぃにとって



職場経験も、楽しい想い出だろう。






白いシャボンが、ブラシにつけられて


窓ガラスを洗ってゆく。



お湯が、ブラシで掛けられて。



トンネルの中を通りながら、長い列車の旅の間で


風を受けて、ついた埃や砂が



お湯と一緒に落ちてゆく。

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