第393話 lite my fire

そのうちに、ひとだかりが

出来たのは

ひとつ前の、となりの車両のドアのあたり。



黄色いヘルメットに青い作業服の

おじさんふたりがドアを見ている。




「ちょっと見てくる」と


めぐは、気になって。



ひともまばらの客室から、となりの車両へ。


ドアを開いて、洗面所とデッキを過ぎて。


見ると、となりの車両のドアが

折り畳みが上手く開かずに、きちんと閉じないで


隙間が出来てた。





よーくみると、ガイドになっているレールから

滑車が外れて

ドアが、行き先に到達出来なかった。





「ははぁ、これか」と、ヘルメットのおじさんは


ドアを一旦開けようとした。


非常コックで、空気を抜けばいい。


でも、そのコックは

ホームから開けられない。





たまたま、内側に居ためぐに


「そこのコック開けて」と、リサのおじさんは

声掛けた。




見上げると、ドアの上に

赤い枠でペイントされた非常コック。



普段、触ったことないし




「みだりに使うと列車が停まります」(笑)


とか書いてあるから。




ちょっと、ドキドキ(笑)。



そのガラス扉を開けて、ガスの元栓みたいなのを捻ると、空気が抜ける音がして。


ドアが、開こうとしたけど


レールから、ガイドが外れてて。


開かない。





めぐには、機械が痛がってるみたいに見えて。



「もとに、もどれ」そう思ったら




ガイドは、レールを乗り越えて


すぅ、と収まった。





金属の形を、モデリングして

変形させたのだった。




時間軸を変えるよりは、楽。

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