第322話 science for better future

めぐは思う。

未来を、みんな変えて生きているけど

それに気づかないのは、未来に行った事が

ないから。



当たり前(笑)。


たまたま、それを知っていためぐだから



そう気づくのだけど。



つまり、超紐0次元モデル仮説に基づく

11次元隣接宇宙の個数、10の500乗、



選ばれなかった選択肢が、その個数だけある。


そう

、想像するのも楽しそう。



何かの拍子に、ひょい、と

入れ替わると


違った未来があるのかな?

なんて空想すると

とっても、未来は楽しそうだ。











旧い、国鉄本社のエレベーターは

ゆっくりと登り


6階に着くと、かん、と

鐘の音がして。


やっと上ってきた、と

エレベーターが言っているみたいだと

めぐは思う。



「着いたねー」れーみぃが

ゆっくりと開く重厚なエレベーターの扉、

各階の扉とは二重になっていて

合間に、鋳物のアコーディオン扉がついていて。


以前は手動開閉だったのだろう、その

把手は真鍮で。

人が触れたところが、光り輝いていた。



その、鋳物と真鍮の対比は


なんとなく、機械的で


蒸気機関車のスロットルとリバーギャの

ようだ、と


リサは、それを見て


おじいちゃんの機関車を思い出す。



ずっと昔、まだ

リサが幼い頃の記憶だけど。


黒い、大きな機関車は

幼いリサにとって、少し怖いくらい

立派なものだった。でも

おじいちゃんは、誇らしげに

機関車に乗っていて。



その様子は、頼もしげに

リサには思えた。



父がなぜ、機関車乗りにならずに

自動車エンジニアになったのだろう、などと

不思議に思ったものだった。




自動車より、機関車の方がカッコイイ。


そんな

ふうに、幼いリサには思えて。






他愛ない記憶だけど。


と、リサはそんな自嘲を含め


エレベーターの扉、隙間が大きくて

下見ると少し怖い(笑)のだけど。




開いた扉から、6階の

フロアへ。

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