第244話  If you love somebody , set them free



If you love somebody , set them free



微睡んでしまって。


つぎにめざめた時、お日さまは

高くのぼっていた。


図書館は、クリスタさんが行ってくれていたので

めぐは、遅刻せずに済んだ(w)。





....あの夢。


めざめて、まだ覚えている。



天国に、ほんとうに行ったような

そんな気がした。


クリスタさんの言うように、心の中に天国って

あるんだな、と

めぐは思った。



でも、まだめぐも気づいていないのは


「見たい夢を見た」


と言う事。




それは、ひょっとすると夢じゃなくて

めぐの、新しい自分だけの魔法なのかもしれなかった。



時間旅行のような。



おじいちゃんは、ルーフィさんの事を思う事が大切だと

言っていた訳じゃなくて。



それも、めぐは分かっていた。

好きだったら、その人の、ありのままを好きになって

あげなさい。



そういう事なんだろう。







あたしのことを好き、って言ってくれる人。



そういう人は、どこにいるんだろう?



と、めぐは思う。







魔法使いルーフィは、めぐを慈しんでくれているけれども

それは、恋愛じゃない。



そんなことにも、めぐは気づいていたり。




でも、なんとなく....恋していたくて。




そういう事は、誰にでもある-------。







ぼんやりと、楽しい夢を思い返しながら


めぐは、お部屋から出て。




木の床の感じが、心地よい。

まだまだ夏、とはいえ


少しづつ秋を感じる、そんな瞬間。





階段のところで、にゃごに出会う。




めぐは、昨日の夢を思い出して。


にゃごに、心で話しかけてみた。





にゃごは、振り返りーーーー。


「.........。」



なにも、言葉は放たないけれども


それは、確かに通じているようだった。





めぐ自身「!」びっくりしている。


寡黙な、にゃご。


でも、意識を交わす事ができたのは


あの、夢を見たから。




夢の中で、べつの世界に行って

何かが変わった。



それは、魔法?



よくわからないけれど、感じ取る力が出来た。





それは、例えば波の動きを受け取る能力。



光の波なら光波、電子なら電波。音なら音波。


どれも同じ波で、波長、と言って


波の細かさが違うだけ。




ラジオなら、電線を空気に触れさせて置くと

それが電波を拾う。



トランジスターをつないでおけば、拾った電波の

波を大きくして、人が感じ取れるくらいの大きさにできるけれど


この時の電流増幅度をと言って、hfe=100くらいで


ラジオが聞こえてくる。



似たような事が、心にもあったりして


感受性が大きくなると、聞こえなかったものが聞こえてきたりする。


人間の心にも、電気が流れているので(微弱なものである)そういう事はある。




その一部が脳波であったり、心電図であったり。


同じ電気である。




波なのだ。






almost grown



めぐは、階段を降りて

1階に下りる。



にゃごの子猫たちが、あくびをしている。



めぐは、話し掛けて見る。




心と心。



にゃんこのことばは、手話のように

モーションも入っているので


めぐは、子猫のそばにかがんで


まばたき、2回。




ごきげんよう、と言う合図。




それで、お友達になれる。







こころで語りかける。




ーーーーーおはよ。







にゃんこたちも、答える。







ーーーーおはよ、お姉ちゃん。








めぐは、お姉ちゃんって言われて

ちょっと恥ずかしいような、嬉しいような。



妹がいればよかったな、なんて

夢みた事のあった、めぐは




妹や弟ができたみたい。





そんなふうに思った。





にゃんこの背中を、なでなですると



ーーーん、気持ちいいわ。


と、子猫は言う。




白くて、ふわふわの。



子猫は、美人猫さんに似ているようでもあり

にゃごに似ているようでもあり。




すっきり顔の美人子猫。





伸びをして、爪を伸ばす。



猫背なのに、時々伸びをするのは

なんとなくおもしろい、と

めぐは思った。(w





「あら、めぐ。お寝坊さんね」と


おばあちゃんは、めぐの背中越しに。





「おはよ、おばあちゃん。あのね、

にゃんこのことばがわかるの」と



めぐは、にこにこして。




幼い女の子が言うと



それは、ファンタジーだと



お母さんやお父さんは思う。



微笑ましく。





でも、ひょっとして本当に


にゃんこのことばが聞こえるのかも。





めぐのおばあちゃんは、魔法使いさんだから



にゃんこのことばがわかるの、と

言う


めぐの気持ちがわかる。





それだけに、微笑ましいファンタジー

ではなくて



めぐの魔法使いとしての能力が

高まった、そんな



成長を嬉しく思っていたりもする。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る