ホワイトデーシチュエーションボイス台本集

野々村あこう

先輩へのお返しクッキー

あ、あの……先輩!

えっと……急に呼び出しちゃってすみません。

その、先輩にちょっと渡したい物が……。


えっと……これなんですけど。

その、受け取ってください!

お、俺……頑張って焼いてみたんです!


普段料理とか全然ダメで、ほら、俺って不器用じゃないですか(笑)

だから、あまりこういうことするタイプとかじゃないんですけど。

その、先輩が俺に手作りチョコくれたじゃないですか。

それが滅茶苦茶嬉しくて……。


だから俺、頑張って挑戦してみました!

は、初めて作るクッキーなんで……あまり美味しくないかもしれないんですが。

で、でもちゃんと味見はしましたよ!

お、、俺にしては頑張った方なんじゃないかな……。


もしよかったら、食べてくださ……っ!?

先輩?どうしてそんなに泣きそうな顔してるんですか?


……えっ?

俺にフラれたから?

ちょ、ちょっと待ってください!

俺別に先輩をフッてなんか……っ!


……えっと、『ホワイトデーのお返しにクッキーを渡すのは「友達でいましょう」って意味になる!?』

あ……その、ご、ごめんなさい。

俺、知らなかったんです。

まさかそんな意味があったなんて……。


ほ、本当に知らなかったんです!

その、俺としては……ほ、本命のつもりで……。


って、先輩なんで笑ってるんですか!


えぇ、知ってた?

『頑張って作ってくれたものがギリなわけない』って……先輩本当に意地悪ですね……!


……まぁ、いいですよ。


それより、ちゃんと受け取ってくれますよね?


えっ、ちゃんとはっきり伝えて欲しいって言われても……。


その、俺と……付き合ってください。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る