第99話 宵闇の森(11)
――お前、結構『えげつない』事するよな。
ツルギの視線が僕にそう
彼は今、
僕も同様に、
当然、相手は
「目がぁっ! 目がぁっ! 目がぁっ!」
いや、それ
(これで<魔族>の動きを『封じられる』といいのだけれど……)
ただ、相手は魔法を得意とする
――まだ、近づくのは危険だろう。
僕は<魔族>の背中に『聖水』を投げつけた。
――ジュワッ!
と再び煙が上がる。体内の<
その
「ぐはっ! こ、
相手の<魔族>は声を上げ、背中を
しかし、身動きは出来ずにいた。
(この状態から逃げられるようでは、僕達が困る……)
また<魔族>は僕達の位置を
僕は再び
片方の
僕達はお互いに
再び<魔族>の周りをグルグルと回った。
しかし、その
「食らえっ! 『聖水』だ……」
僕は
すると<魔族>は目を
攻撃に
先程の『タバスコ』がトラウマになったようだ。
僕は持っている
『身体能力の強化』の<スキル>を持っているのだろう。
彼は近くの大きな木へと軽々と登る。
そして、太く立派な枝に
後は
一方<魔族>はいつまでも『聖水』が飛んで来ない事に気が付く。
恐る恐る目を開け、こちらを確認する。
当然、僕はそのタイミングを
今度は『酢』の入った
――パリンッ! パシャンッ!
「うぎゃーっ!」
<魔族>は悲鳴を上げて、飛び
今度はツルギがタイミングを合わせる番だ。
のあっ!――と<魔族>は間抜けな声を出した。そして、
「――って、
と暴れる。ツンとした
(殺菌作用があるけど、これは効かないのか……)
ツルギは体重を掛け、
僕は
「キキッ! <魔族>も大した事ないでちね!」
と
ツルギの肩に『ちょこん』と
(いつの
「口から緑の液体を
アッハッハ!――と笑うツルギ。
思考がルキフェと同レベルらしい。
「それ、ユーリアの前で言っちゃダメだよ……」
僕は忠告する。
「ま、弱い<魔族>だったみたいだな」
とツルギ。
「アタイは賢いので、
ルキフェは
(本当に賢いのなら、こんな危ない所には来ないよ……)
一方で、それを聞いた<魔族>は暴れた。
弱いと言われ、怒ったらしい。
しかし、
(ルキフェには、戻るように言いたいけれど……)
僕達はそのまま二手に別れる。
そして、
「一応、聞くけど――」
僕は時間
けれど――
「ハッ、
プランプランと揺れながら、強気に
――状況を理解していないようだ。
(それとも、
「オレ様に
<魔族>は
正確にはツルギが『聖水』をかけた剣で<魔族>を刺したのだ。
――
(まぁ、僕も人の事は言えないけど……)
一方、ツルギは自分の攻撃が通用する事を知りたかっただけらしい。
<魔族>から剣を抜くとルキフェを肩に乗せたまま、後方へと下がる。
ある程度の距離を取ると、剣を
そのまま、一気に決めるつもりのようだ。
同時に【危険感知】の<スキル>が反応する。
「いや、待て! ツルギ……」
僕は声を上げると同時に
同時に後方へと飛び
ツルギも同じく反応したようだ。
ほぼ同時に、上空から
――ドッゴォォォンッ!
それが落雷だと気付くのに、多少の時間が掛かった。
大きな音と共に地面が消し飛ぶ。
<メッセージウィンドウ>が表示され、僕達のレベルが上がった事を告げる。
同時にそれは<魔族>が倒された事を意味した。
先程の<魔族>よりも強力な『魔力』を感じる。
より
――非常に嫌な感覚だ。
(どうやら、素直に『勝った』と喜ぶには早いらしい……)
「まったく、遅いと思って来てみれば……」
と上空から声がした。誰か居るようだ。
代わりに地面が
声の主はゆっくりと、地上へと降りて来る。
まだ
僕は<錬金術>で作成していた『
それを相手に気付かれないように高く
「人間なんかに苦戦するとはな……」
と新手の<魔族>。
肌の色は倒された<魔族>と同じ青だ。
けれど、
「こっちだ!」
ツルギが剣を
ルキフェも無事らしく、彼の肩に
僕は【ファイヤーボルト】を『
――ボォォォンッ!
炎が勢いよく上がり、新手の<魔族>を
「逃げるよ!」
僕の言葉に、
「ああっ!」
とツルギ。ルキフェを
僕は準備していた『
――ガサガサガサッ! バキバキッ!
「逃がすか!」
とは新手の<魔族>。
『魔力』を放出して、燃え
――残念ながら、炎はあまり効いていないようだ。
(髪の毛をチリチリにしたくらいか……)
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