ガラクタのペンダント
エメラルドグリーンの透明な輝き
プラスチックで型どられた透けるハート
五百円のオモチャのペンダント
あれは何処へいってしまったのだろう?
十歳の時になけなしの小遣いで買った
初めてのアクセサリー
あれじゃなきゃ嫌だ
大人になって
もっと高価な宝石も身につけた
だけど
やはりあれじゃなきゃ駄目なのだ
安物の緑のハート
ガラクタのペンダント
あのプラスチックの滑らかな表面が
舐めてごらんと私の舌を誘った
あんな風に
舐めてみたと思ったペンダントは
いまだかつてない
あれほどに握りしめてみたいと思ったペンダントは
まだ見たことがない
プラスチックの時代に生きて
プラスチックの心を踊らせた
私の胸に相応しいまがい物の宝石
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