火が燃える

ほらご覧

あの人が あの幸せで親切なあの人が

私の心に火を灯す


私の心は突然燃え上がって

それまで凍っていた心が突然溶け出して

それで私は嬉しくなる

有頂天になって

他の誰かにも火を灯したくなる


あの人が分けてくれた火

一度火が着いたら

そのままでは居られない

誰かにも火を分けなくては


そう思い付いて身悶える

誰でも良いのだ

火が燃えさえすれば

誰でも良い


誰でも私の恋人になり

誰でも私の父母になり

誰でも私の子供になる


これは火の作用だ

燃え盛る火だけが

この不可能を可能にするのだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る