アリエルと、ゆきだるまさん
深町珠
第1話 アリエル
ここは、山小屋。
寒い、さむい冬が
もうすぐ、春になりそうな。
あ
とがった大きなモミの木と、いわしみずと。
ふしぎなゆきだるまさん。
熱がでて、苦しかったアリエルを
ゆきの、ひとひらさんたちが
冷ましてくれて。
アリエルは、すっかり元気になりました。
「アリエル、ごはんだよー」おじいさんの声です。
「はーい。」アリエルは、屋根裏のお部屋で
ベッドから飛び起きます。
冷たい風も、もう平気。
お部屋の窓から「おはよ、ゆきだるまさん。」と
アリエルは話しかけます。
山小屋のお屋根の雪も、固まっています。
もうすぐ、春。
遠い、白い峰、アルピオンも
朝日に輝いています。
ずっと、ぐあいが悪かったアリエルでしたけど
もう、だいじょうぶ。
さっ、と着替えて
階段を下りて行きます。
「おじいさん、おはよ」
「アリエル、おはよう、顔洗ってきなさい」おじいさんは、にこにこ。
「はーい。」アリエルは、元気にログキャビンの扉を開けて。
凍っている岩清水と、水受けとを
見比べて。
桶で、コンコンと氷をつついて。
薄くなっているところから、水を汲みました。
「あー、つめたい。」顔を、ふるふる、と振ります。
でも、氷が薄くなっていて。
もうすぐの春を感じます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます