第36話 クズの作り方②
翌日、僕はいつもより早く起きた。
僕の、生活は特に変わった事は無い
朝は、毎日一人で起きる
朝ごはんは無い
昼は、一人の時間
給食は複数人で食べるが喋ることは無い
夜は、ほぼ毎日、一人で食事を取り
誰も居ない家におやすみと言って寝る
変わった事は、放課後に遊ぶ日が増えた事だと思う
それ以外は僕は一人だ
その変わった事が人生を大きく変えていった
僕は、勉強も出来ない
スポーツも出来ない
陰気くさい男の子だったとおもう
それなのに
僕は、いけない遊びをしていた。
今日も普通に遅刻をして登校をする
あゆみと話したいけど
学校に居るときは話しかけた事が無い
迷惑だろうし
周りの子から変な目でみられるんじゃないかと思い
話かけることは無かった。
どうすれば、
良いのか分からず給食の時間がきた
同じ班で食べるのだが
その時も話したことがない
僕は、焦り始めて耳が赤くなっていった。
いつの間にか給食の時間も終わり
帰りの時間がきた
とうとう、あゆみに話しかける事が出来なかった。
肩を落としながら一人で下駄箱に向かった。
いつも、歩く帰り道
一人で帰る事は随分減ったけど
今日は一人だ
いつもの信号を渡りタバコ屋さんの坂を下り
あゆみと別れる所で足を止め
あゆみの家を少しみて
また、歩きだす
細い道に入り田んぼを見ながら
僕は、ランドセルから鍵を取り出し家に入る
玄関で靴も脱がずに大の字になって目をつぶった
なんか、久しぶりにやったきがする
なんだかんだで
孤独を感じる時間が減ったのかもしれない
充実していたんだろう
今日は、あゆみに僕の素直な気持ちを伝えようとしていた
愛の告白とかではない
不順な気持ちだけど
でも、好きという気持ちは嘘では無い
チッチッチッチッ
時計の秒針がいつもより大きく聞こえた
何をしているんだろう僕は
好きな女の子に好きって言うだけなのに
なんで、僕は臆病になっているんだろう
昨日、寝る前に心に決めた事なのに
一歩も動けてない
チッチッチッチッチッ
カチャッ
秒針と分針が綺麗に重なりいつもより時計の音が大きく鳴った。
目を開けて振り向き時計を見た
時計は16時になっていた。
あゆみのお母さんが帰ってくるまで
だいたい2時間ちょっと
まだ時間がある
決めた
正直に想いを伝えよう
僕は鍵も閉めずに
走り出しあゆみの家に向かった。
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