第6話 王都ゴースリア
王都に到着した。
とても綺麗な街並みだ。
前世の記憶で考えるとヨーロッパの街並みがイメージに1番近いかな?
区画からレンガまで凄いレベルで統一されている。
まさに圧巻。これが王都か!
サランド領の街並みも好きだったが、これを見てしまうと…
王都の街並みに感動していると
「皆さんお疲れ様でした。王都へは5日間滞在予定です。その間の皆さんの宿はこちらで取らせていただきました。また帰宅時もよろしくお願いします。これ、少ないですが皆さんで飲んで、疲れを癒してください」
そう言ってデルガさんはソルティナさんに金貨1枚を渡した。少ないって言って金貨渡せるんだから、商人って凄いな。僕はまだ貴族だけど、これから平民になった時、そう易々と金貨を渡せるような男になるんだろうか…。
「ありがとうございます。みんなで使わせていただきます。滞在期間、何かありましたらいつでもお呼びください」
ソルティナはそう言いながら頭を下げた。
「では皆さんの宿へご案内いたします」
そういって僕達は、デルガさんの案内の元、滞在期間お世話になる宿へと向かった。
歩き始めてから10分程で宿に着いた。
なんとデルガさんの計らいで王都ギルドに近く、冒険者が泊まる宿の中では比較的高い宿を取ってくれていた。ありがたい。
受付を済ませ、各自部屋を確認し王都ギルドへ向かう事にした。
ブルド達は王都ギルドへは向かわず宿に滞在するらしい。
なので僕達4人で王都ギルドへ向かい、その後自由行動を取る事にした。
―――――――――――――――――――――
☆王都ギルド
王都ギルドはみんな依頼を受けているからか、あまり人は居なかった。でもやはり王都ギルド。サランド領より立派な作りをしている。
王都滞在期間は別の依頼を受けてもいいとデルガさんに許可は貰っている。護衛の依頼主が許可しないと滞在先では依頼を受けることができない。
僕は討伐依頼を受けるため依頼掲示板を見に行く。
ソルティナさん達は今日はゆっくりするとの事なので、王都ギルドへ挨拶だけして宿に帰っていった。
何か良さそうな依頼はないかな…?
僕は依頼票に目を通す。
ブルードラゴン討伐依頼っ…受けたいっ!
でもダメだ…これはAランクでパーティー限定だ。
Aランクだとしても個人では受けられない。
Cランクの僕では到底受けられない。
他に無いか?
………
……
…
あった。
オーク20体討伐依頼。Cランクなら個人でも受けられる。オークは弱いモンスターではないがCランクなら倒せるレベルにある。20体もいるんだ。僕の力を把握する為にも丁度いい。
僕は依頼票を持って受付に行った。
「こんにちは。依頼票ですね。お預かりします。…って、え?これ、討伐依頼でCランク以上推奨ですよ。僕にはまだ早いと思うよ?まずは採取依頼から始めよ!」
10代後半〜20代前半くらいの受付のお姉さんから注意を受けてしまった。まぁ仕方がないか、僕8歳になったばかりだし。普通Fランクだと思うよね。
「いえ、あの…僕はCランクです」
そう言ってギルドカードを提示した。
それを見たお姉さんは信じられないといった顔でカードを見ながら僕の方をチラ見していた。
「失礼しました。まさかCランクだったとは。では受理いたします。オーク20体討伐、よろしくお願いします」
そうして僕は受理サインの入った依頼票を受け取り、王都ギルドを後にした。
―――――――――――――――――
今の子、まさかCランクだったなんて…
すごいな〜
「あの子Cランクなの?」
隣で受付を担当している先輩から聞かれた。
「はい。カードを見たらCランクでした。ビックリですよね」
この時、王都ギルドの受付担当達の間で、コーキの話題でいっぱいだった事をコーキは知らない。
そしてコーキの話題で盛り上がっていた受付担当達はその日の夜、更に驚愕する事になるとは、まだ思ってもいなかった。
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