第34話 梅ちゃんの営業撃退法。

我が家の口達者な梅ちゃん。

化粧品の営業をしていて、なかなか成績が良かったらしい梅ちゃん。

その梅ちゃんに、口で勝てる人はいない。


家にやって来た営業マンの方たちが

驚いて帰って行くのを何度も見ました。


ピンポーン。

「はいはい」

「あのぅ、私……」

何かのセールスだとわかった途端

「あぁ、今、天ぷら揚げていて手が離せないんだぁ」(嘘)

そう言って、台所に行ってしまう。

営業マンの方は、何も言えず帰ります。


子どもの学習系の営業マンが来たときには

「私、子どもの学習教材の……」

「あぁ、うちの子頭が良すぎて困ってるんだ!

 勉強するなって言っても、勉強ばかりして困ったもんだ」(大嘘)

そう言って、部屋に引っ込む。

梅ちゃんの隣にいた私は、恥ずかしいだけ。


でも、梅ちゃんの営業撃退テクニックは

子どもながらに「凄い!」と思っていました。


ただねー

「うちの子、頭良すぎて困ってる!」

という撃退文句は、恥ずかしくて使えなかったです。




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