葵駅にて

日向「駅についた」

そして私は改札を通ってホームに出た。夏休みの最中なのか、ホームには旅行に行くであろう家族連れや部活の大会に向かう学生の姿を多く見かけた。でも自分のこの葵駅の今の利用に関してはどちらにも当てはまらない。私の利用は部活動をするために学校へ向かうのだから。すると着信を受け取ったであろうスマホが季節外れな音を立てて鳴った。私はそんなスマホをとって電話に出た。

日向「もしもし、青山だけど」

?「いつも堅苦しいね」

日向「結乃か、どうしたの?」

結乃「結乃か。じゃないよ」

日向「どうしたの?」

結乃「集合場所どこかわかってるよね?」

日向「校門前でしょ?」

結乃「分かってるならいいや」

そこで結乃からの電話が切れた

日向「結乃、あの子は全くすぐ切るんだから…」

さっき話していたのは同じ部活の部員の鈴木結乃。彼女はせっかちなのかマイペースなのかは分からないが、すぐ電話をこうやってきる。でも優しい女の子で、ひとが困っていればすぐさま助ける子なのだ。

ア「まもなく一番線に桜木駅行きの電車が参ります。白線の内側に下がってお待ちください」

アナウンスが鳴り、電車が来た。

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