旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

第340話想定

私（村上義清）「ほかにやって欲しい事はあるのか？」

真田幸隆「殿が管理していただければそれで十分でありますが。」

私（村上義清）「（絶対に違うと思うのだが）質問を変えよう。水以外に困ることで分かっていることがあったら教えてくれ。」

真田幸隆「そうですね……。今回の目的は武田北条による沼田攻略を抑止するためでありますので、それなりの規模の兵を常駐させなければなりません。」

私（村上義清）「そうだな。」

真田幸隆「彼らを養うためは勿論の事。当地は常在戦場となりますので、いくさへの備えも怠ってはなりません。」

私（村上義清）「うむ。」

真田幸隆「相手は武田、北条でありますのでいくさは大規模かつ長期に及ぶ事が予想されます。その場合、うちは輝虎の手伝いいくさになりますので掛かった費用や成果に対する恩賞などは彼から支給される運びとなります。加えて越後は豊かな国でありますので支払いを渋られる恐れは少ないかと思われます。」

私（村上義清）「ふむ。」

真田幸隆「しかしそれが支給されるのはいくさが終わった後の話であります。いくさの最中につきましてはこちらの自弁となります。」

私（村上義清）「そうなるな。」

真田幸隆「ここで問題となりますのが当地への輸送手段であります。（吾妻渓谷で阻害される東部の）沼田よりは容易であるとは言え、そこは上野。信濃との国境を越えなければなりません。両国を分けるのは山であり、峠であります。想定されるいくさの場所は吾妻渓谷を迂回する更に険しい道を通らなければなりません。とてもではありませんが全ての物資を信濃からの送り込みで賄う事は不可能であります。」

私（村上義清）「そうなると少なくとも食糧だけでも自活出来る体制を整えないといけない？」

真田幸隆「はい。」

私（村上義清）「それを俺に整備しろ？」

真田幸隆「殿の管轄でありますので当然の事でありましょう。」

私（村上義清）「飲み水の確保から始めるんだよな……。」

真田幸隆「それが嫌でありましたら更に東に進出していただいて構いませんが。」

私（村上義清）「本気で言ってる？」

真田幸隆「最悪の事態に陥った時の処世は考えておりまするが。」

私（村上義清）「それって俺の首を手土産に持って行く事だろ？」

真田幸隆「それよりは分国を選択しますね。」

私（村上義清）「沼田を攻めるって事は俺と輝虎が敵対する事になるから、お前は武田との繋がりを活かし背後の安全を確保しつつ、俺と手切れ。俺と対立する上杉と手を結び動線の確保を目指す。そう言う事か？」

真田幸隆「あくまで殿の暴走を止める事が出来なかった場合でありますよ。」

私（村上義清）「……飲み水の確保を目指します。」