旅行先で目を覚ましたら村上義清になっていた私。そんな私を支えることになったのがアンチ代表の真田幸隆だった。

第336話あげますよ

真田幸隆「正直な話。私もあそこを管轄する気にはならないのでありますが……。」

私（村上義清）「何だ？武田北条といくさになる危険性があるからか？」

真田幸隆「いえ。それでしたら北からの（尼ヶ淵へ侵入する）入口を塞ぐ意味でも必要な場所であります。出来る物でありましたら殿に管理していただきたい。そのように考えています。」

私（村上義清）「良いのか？俺が関東に関わりを持っても。」

真田幸隆「関わりを持たなければならなくなったらそれこそ一大事であります。」

　沼田で攻防戦が繰り広げられることを意味する。

私（村上義清）「うちからでも。正しくは国清のところから行くことも出来るから別に構わないと言えば構わないぞ。」

真田幸隆「ありがとうございます。」

私（村上義清）「妙に素直だな？」

真田幸隆「いえいえ。その代わりと言っては何ですが、殿にとって負担以外の何物でも無い岩村田をこちらが引き取りましょうか？」

私（村上義清）「ん！？確かに岩村田の経営は俺にとって足枷となっているのは事実である。しかしそうなるとお前が武田と戦になった時、全てを背負う事になってしまうぞ。それでも良いのか？」

真田幸隆「（幸隆の管轄の１つ）諏訪との行き来を考えますと、今の態勢では不便なところがあります。」

私（村上義清）「別に俺のところ（深志）を使っても良いんだぞ。」

真田幸隆「殿のところはうちの加工貿易（青苧を仕入れ麻織物を出荷する）で手一杯でありましょう。」

私（村上義清）「まぁそうだけど、そうなると麻の行き来と無関係な岩村田を使わないのはわざとって事？」

真田幸隆「あそこは武田の荷の行き来も認められて居る場所であります。どこに武田の協力者が居るかわかりませんので使っていないのが実状でありまして、けっして殿を困らせようとしているわけではありません。」

私（村上義清）「でもその岩村田を欲しいと言っているんだよな？」

真田幸隆「はい。」

私（村上義清）「諏訪との行き来を円滑化するために？」

真田幸隆「はい。」

私（村上義清）「武田の荷の往来は？」

真田幸隆「今まで通りであります。」

私（村上義清）「何かやっていただろ？」

真田幸隆「いえ。何もやってはおりませぬ。」

私（村上義清）「何もやっていないのは荷物の行き来に関する事だろ？俺の管轄地を困らせるための。」

真田幸隆「あくまで武田に機密が漏れないようにするためでありますし、武田の荷が入らないのも同様の事では無いかと思われます。」

私（村上義清）「（同盟関係にある上杉方の）箕輪衆の荷物も入って来ないのだぞ。」

真田幸隆「そこまでは存じ上げておりません。」

私（村上義清）「お前のところを通っては居ないだろうな？」

真田幸隆「まぁあそこは関東でありますので、わざわざ山を越えて来ることも無いでしょう。まぁ殿。」

私（村上義清）「何だ！？」

真田幸隆「岩村田につきましてはこちらで立て直しますので、新領地の運営をお願い申し上げます。」