夢を歩く

春嵐

第1話

 現実のような、夢。

 脳内の作用としては間違ってないのかも。現実の出来事を整理するんじゃなかったっけ、夢って。

 普通に歩くわたし。そして、それを眺めるわたし。わたしがふたりいる。看る側と、動く側。

 普通に仕事してるわたし。うん。普通。なんの変わりもない。どこまでいっても、一般人のわたし。特殊なものや幻想的なものは、なにひとつない。

 普通に仕事を終えて。

 そして。

 車に轢かれる。

 綺麗に弾き飛ばされる私。

 夢はここで終わり。

 終わり。

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