第八十話 ユータ、学校で無双を決める
さて、ユータの高校での学校一の件
”総当たり戦”に決まった。
ユータと総当り。今日の午後。3年は暇なのだ。毎日登校は午前のみ。それさえも自由だし。
場所は柔道場となった。
「なんじゃそりゃ、まぁそうりゃそーだけど、、、」ドーラ
「どうすりゃいーかな?」ユータ
「ふつーに軽くぽいぽい投げりゃいーって。向こうから自動的に次々投入されてくるから。」
ははぁ、げーむみたいなのかな?
「おもいっきりやらなきゃ大丈夫。もし怪我しても俺がその場で何気に回復掛けとくから」
「お願いね!!」
で、
「先生まで見に来てるのはなぜなんですか?」ドーラ
「そりゃ決まってんだろ?ダメだっても、他でやるからそのほうが危険。俺らが見てればある程度は抑えるだろ?あとはそうだな、いざっという時のレフリーみたいなもんだ」
「「ご苦労様です、、、ごめんなさーい」」ドーラ、ユータ
あっはっは、毎年だから、、とそこにいる男性先生皆声を揃える
(まじ、ここの先生、あっちの世界の人なんじゃないか?)ドーラ
(あっちに連れていきたいね!)ユータ
(いーな、、こんど言おうか?)ドーラ
(そだね、僕らが扉どうにかできるようになったら言おうね!)ユータ
下手すればそこの全男子生徒と乱闘に成るかもしれない。エキサイトするとなりかねない。成人男性とほとんどガタイが変わらなく、もっと歳が若いのが6−70人。加減もさほど知らないほど若い。なので先生側は命の危険は高い。それをわかってて、ちゃんと抑止のために来る。
元工業高校なんだから、そこに勤める時点で覚悟はあるのだろう、、、
多分、傭兵でもこんなことやらないよな、できないよな、、と思うドーラとユータであった。
(昔は、リアルにそういう先生は少なくなかったもんです)
(更に言うと、ど素人の子供に切られたり刺されたりする者なぞいなかった。襲ってきた時点で押さえつけられた。)
はじめ!という、言い出しっぺの級長の掛け声とともに、一人目がユータに襲いかかる!
ぽい!ひゅーん、どしん、ごろん、、一応受け身とってる。(3年間、体育の授業に柔道が週に一度はある)
立ち上がってまた向かってくるが、3度ほど投げられると結構フラフラになってるので、級長がTKO宣言。
次に移る。
で、なんか流れ作業の様に20人ほど過ごし、、
「ストップ!!一度に3人で行ってみてくれ。ユータを停めることでもできりゃ、個別に対応してやるから」とドーラ。
この状態、ノーとも言えず、、そのとおりにする級長。
はじめ!
3人が一斉に襲いかかる!!ぽいぽいぽい!!!ひゅーん、どすどすどすんごろごろごろ、、
うん、全く同じ様相だ。
そのまま終いまで継続し、、
「あー、、最後だ。」と級長が一人でユータに向かう。
じりっつ、、じりっつ、、、とことことことユータが級長に向かっていき、ひょいと腕を掴んで、すっと背を級長の腹の下に当てきれいに一本背負い、どっすん、、
「いっぽーん!!」柔道の先生
「いやー、今ほど体育の授業に柔道入れててよかった、と思ったことなかったわ!嬉しいぞぞ裕太っ!!」先生
「はい!お陰様です!!」
「で、おまえ柔道部今から入れ」
「は?」
「いや、OBになるだろ?したら、卒業後、指導に来てくれよ、、」
考えときますと答えたユータ
皆に囲まれ、どーしたらそこまでなるんだ?とか質問攻めなどにあうユータ。
「でも、ドーラに比べりゃ、全然だよ」ユータ
「は?」全員ドーラを見る
「まぁ、、そうかも?」ドーラ
「謙遜、ボクはドーラの足元だよ」ユータ
・・・・ばけもんかよ、、
「あっはっは!ちがうぞ?モンスターだ!」ドーラ
ぶーっつ!!と吹き出すタカ。見学していた。
リアルで最強レベルのモンスターだと知っているのは、ユータ達以外ではここではタカだけだ。
むっとする面々にドーラが提案。
「タカ、ちょっとこっちに来い」
えー、、なんか嫌な予感、と、それでも渋々来る
「こいつ、強えーぞ、つか、強くなったぞ、この2年半で。おまえら、やってみ?」ドーラ
(タカ、おまえは体全体に魔力を纏え。)ドーラ
ドーラが道場に顔を出した時には市とタカに指導している。市とタカがドラゴニアから帰ってきてからは主に魔力を使うことを教えている。が、普通の魔法だとすぐ魔力無くなっちゃうんで、纏わせての使い方を重点的に教えてきた。
なんだかんだ、第二回戦開始。
はじめ!(級長)
うおーー!!ぽい!ずん、、 ×20回ほど、、 皆、目が点
(ドーラ、すごく楽だね)タカ
(だろう?)
道場ではここまで多数で一気の対戦はしたことなかった。人数いないからね。何人でも行けそうな気のするタカ。
「んじゃ今度2人ずつ」ドーラ
うんがぁああああ×2、ぽいぽい!!ずしんずしん!!
うん、ほとんど変わらないな、10回ほどやって
「んじゃ今度、、4人いくか?」
「やってみる、、」タカ
これは、最初の2人は投げるの容易だったが、次の2人に掴まれた。
が、、びくともしないタカ。根を張った木のようだ。
なので腹パンをしようとすると、拳を掌で被われて捕まれグリンと巻いて横に投げられる。両手で左右に一人づつ。
「うーん、、やりようがねぇなぁ、、タカ、どーすりゃお前に勝てると思う?」本人に訊くのが一番だと思ったドーラ。
確かにそうかも知れないけど、、、
「うーん、、、10−20人に上からおっ被されると身動きできなくなるかも、、」
「でも、はねのけられるだろ?」
「そうだねー、、、んじゃ、、手足をそれぞれ数人で押さえつける?」
「まぁ、、そうか、、腕一本に何人くらい付けばいいと思う?」
「んーー、4−5人くらいだと、腕をぶんって振って投げられるかもしれないから、その倍くらい?」
「現実的じゃねーナ、、その細い腕に10人たかれるか?」
「・・・厳しいね」
「あ、ワイヤーロープで・・」
「得物禁止」
「あ、、、」
「おまえも、強くなったもんだなぁ、、、」
「うん、ドーラとユータとダンマスと、市さんのおかげだよ!!」
もう普通に他の者達がいるところでドーラと呼び、ダンマスと呼ぶ。
こっちではドーラは竜太だ。だからドラゴン→ドーラ。
ダンマスは、こっちでは「段田益次郎」なので、略してダンマス
これで通している。
ユータがしょっちゅう口を滑らし、ドーラとかダンマスとか呼びかけるので、ドーラがそう持っていった。
こんな話をしている間も、見ている者達は唖然としたまま。
俺、3年間、何やってたんだろう、、、とつぶやく者
いや、高校生なんだから勉強しとけよ、、(ドーラ)
強いってなんだたっけ、、とつぶやくもの
こっちの世界じゃ仕方がないでしょ、と心の中で慰めるユータ。慰めになってないけど。
「・・・・まぁ、、なんだ、、、これで、、こ、今年の3年は、もうむちゃしなく成るだろう、、、、お陰様、、、」先生
「「「いえいえ!!こちらこそ!!」」」ドーラ、ユータ、タカ
先生はタカも勧誘していた。
「ごめんなさい、ボク市さんの道場に行っているんで、、」タカ
「ああ、空手か、、あ?空手?さっきの?あ?からて?え?からてってぽいぽい投げたっっけ?」と悩む先生
「いや、タカも授業受けてたでしょあなたの!」ドーラ
「あれだな、複数の武道やってると、かなり強くなるんじゃないか?複合で」ドーラ
「あ!そだねっ!!ボク、今度合気道習おうかな!!」ユータ
ざわつく道場、、
アレ以上強くなってどーすんだよ、、
と、ごもっともな意見しか出てこない
「ユータ、そしたら誰と闘うんだ?」
「うーん、、ドーラに稽古相手になってもらう」
「まぁ、、そうだな、、それかダンマスくらいしかにねーだろーけど、、」
段田益次郎の姿を見たことをある者も少なくない、4−5人は見たことあるだろう。
主に食べ物やでユータ達と一緒に居る時の姿を。
あのおっさん、それほど、、、
というか、、
「なぜ、裕太の周囲はバケモンばかり?」
でも疑問持って無駄なことをしないのが、ここの連中のいいとこ
ユータと周囲はバケモン。という事実をしっかり認識する。それが最も重要なこと、ということは「闘うことが好きな者」の素直さで刷り込まれた。
あとは
自分も市の道場に通い、タカみたいになっていけばいいだけだ。となるのだ。
たいへんむづかしいけど、、、
可能性無くはないかもしれないけど、、がんばだ!!
で、今回の件は一応後々まで語り継がれる。主に教師たちによって。
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