第七十八話 防衛戦 お目こぼししてみた
「何?転移もできねーの?!!、、、おまえら、、今まで、一体なにやってきたの?」ドーラ
「・・・だって、誰も教えてくれる人いないから、、」魔法使いの少年1
他の中学生くらいの歳の子どもたちも首肯している。
・・・「んじゃ、今から教えるから、すぐ覚えろ。」
それからドーラはその10人ほどの子どもたちに超スパルタで転移ができるようにした。勿論ユータが彼らに魔力を分け与えた。
「いいか、明日の一杯まで、、、くそっ、、いいわ、俺も一緒に行く。」
「やっぱりね、ドーラはそう云うと思った。僕も行くから」ユータ
・・・
しかたないか、、、諦めるドーラ。ユータは止めても聞かないだろう。
「私はここで待ってます。こいつらこのままにしておきますねー」
ダンマスはここにいる数万の兵を全て「動くな」と言霊で縛っている。喋ることも出来ない。できるのは息をすることくらいだろう、、あ、あと糞便垂れ流しもできるか。
ーー
ことの発端は数日前。
山の上の監視所から「なんか来た」という報告。
ドーラ、ユータ、ガンダがすぐに見に行った。
騎兵10、くらい。
山の向こう側、ドラゴニアに出る尾根の合間の切通しくらいまで来て、いろいろ見ている。
夕方までそいつらを見ていた。
そして奴等は戻っていった。
「斥候だな。向こうの最後の村に帰ったのだろう。侵攻か、、こちら側に防御を固めるのか、、」ガンダ
「侵攻だと思いますね。」いつの間にか来ていたダンマス。
「昔からあそのこ王族は調子こくんですよ。全く変わってませんねぇ、、東に向かっての侵攻が旨く行ったんで調子こいてるんでしょう。ほんと屑な低能は始末に負えない。昔、数代前のバカもおんなじようなことして、、私が気に入っている者の国を侵し始めたんで速攻で潰しましたよ。あの時にあそこの王族全部潰しておくべきでしたね。甘かった。
今のドーラとユータのやり方が最も良いんですよ。」
とダンマスが過去を明かす。
(そうなの?)ユータ
(よかったな!ダンマスのお墨付きだぜ♪!)ドーラ
で、数日後、ダンマスの見立て通り、山頂から見ても一面の兵隊達。
「よくこんな移動できたな、、」ガンダ。糧食などのことを含めて言っているのだろう。
「クズって間違ったことする時は、すごいですよ、全力以上の力を出しますからね」ダンマス
「魔法使いも幾分居るようだなー、、、しょぼいけど、、、あ、、ガキだぞ?」ドーラ
どれどれ、、と、ガンダも遠視を使ってみてみる。
「・・・・・・・・知っている奴だ、、、多分、、、ユータがこっちに来る前に、教会に連れて行かれた子だ。魔力があったんでな、、それで俺らは教会も大嫌いになったんだよな、、聞いてはいたが、まわりでそういう被害にあったのはあいつがはじめてだったからな」
「どうする?訊くか?」ドーラ
「・・できるのか?危険じゃないか?」ガンダ
「あー、、ガンダ、お前の剣で思いっきり俺を突いてみ?傷つくのは服だけだぞ。勿論毒矢とかも通用しねーよ俺には。人間の成りしてるが、ダンジョンの10階層主のドラゴンだぞ?」
さばよみ2階分
「ああ、そうなのか、、、そっか、、、。でも、お前の相手になるような奴、あそこにいないのか?」
「いませんねぇ、、」ダンマス
で、ドーラが行くとなったが、
「他の雑魚どもがうざいんで止めときますね。言霊、”あそこらの敵、全員動くな。ドーラが許可したもののみ解除”」ダンマス
で、安全になっちゃったんで結局皆で行き、魔法使い達(全員子供)だけドーラは解除した。
ドーラが説明したらガンダのことを覚えているという。が、
「うちの、俺らが居た孤児院が人質になっているので逆らえない」と他の魔法使い。
「んじゃ、全部連れて来ちゃえよ、転移ぐらいできるんだろ?」ドーラ
「・・・・できない、、」と、その全員。
で、先程の場面になる。
スパルタ、と言っても、結局2日かかった。その間他のモブ共は全く動けず。勿論水すら飲めない。誰が許可するものか。おれらの国の人々を虐殺し全てを奪い去りに来た者達に優しくする頭がおかしい奴などドラゴニアにはいないのだ。とドーラは強く思う。
で、
「じゃ代表で、、2人だけな。俺とユータと、おまえ(魔法使い1)とおまえな(同2)」と魔法使い2人を指名し、
「んじゃ、他の子は、、そうですね、顛末を見させるほうがいいでしょうから山の上にでも」
と、ダンマスは子どもたちとガンダを連れて監視所に戻った。
「あ、おまえら、教会に誘拐されていったって?」ドーラ
「はい、教会に」1
「全員?」
「王家にさらわれた後に教会に送られてきた子もいますけど」
ふうん、、、
「んじゃ、その教会って、この国だけなのか?それとも他の国にもあるのか?同じ組織のが」ドーラ
「んー、なんかある感じでしたけどー」
「あ、私どっかで、他の国のから来るえらいさんがどーのとか言っているの聞いたことある」2
・・・
「よしわかった、とりあえず孤児院行く。そこの院長はいいやつなのか?」
「「・・・・・・・」」
「よしそいつは放置な。子どもたちのみ連れてくる」
「「はい」」
ユータが全員を連れてそこの孤児院の中に転移。
シュン!
すかさずユータが孤児院にバリアをかけ、出入りすら出来なくする。
魔法使い1,2が、子どもたちを集めてくる。邪魔しようとした院長を裏拳1発で吹き飛ばして沈黙させ。
1が、子どもたちの年長にこれで全員か訊くと、そうだという。
「んじゃ、ユータ、おまえとりあえず帰れ。」
「ドーラは?」
「少し聞きたいことあってな、、、子供の前じゃできないことなんで」
「わかった、気をつけてね」
「おう!」
シュン!
さて、、と、ドーラは孤児院の院長に回復魔法をかけた。
また偉そうにし始めるので軽くジャブで鼻を潰し、うずくまって泣き出す院長。
横腹蹴って、「お前も子どもたちにこうしてきたんだろう?いいじゃねーか、、少しくらい返ってきてもよ。それより、おまえんとこの教会って、本山はどこにあるんだ?すぐに答えろ、じゃないとメンドクセーんで頭を握りつぶすぞ」
べらべら答えた。
一応裏取るために、教会に行くドーラ。
馬鹿でかい建物なのですぐわかる。
いちいちなんか言ってくる奴等を軽いワンパンで壁に叩きつけ壁の染みにし、上の階に上がっていく。
最上階の金ぴかな部屋の2坪もありそうなデカイ机に金貨を並べている豪華な服を着た、醜悪な面相の男がいた。
一瞬で近寄り、腹に軽く入れる。うちの子達とふざけるときにやる程度だったのだが、その男は体を折って息が出来ないようで、ひくひくしている。
貧弱極まりない。こういうやつがトップにいるのだ。さぞ汚い手のみでやっているんだろう。
ドーラは机の上の金貨も、部屋の高価そうな装飾品など全て消した。
欲深いやつには堪える手だ。
その男の高価そうな衣服も全て消した。丸裸。
「よし、おまえ、これから訊くことに答えろ。嘘言うと天罰が下る。
この教会の本山はどこの国にある?」
「・・・・この国です」
ボッツ!!男の左腕が燃える。叩きつけても全く火の勢いは衰えない。
ぎゃーぎゃー喚き転げ回る男の頭を蹴飛ばし、静かにさせ、回復。
「もいちどだけ機会をやる。答えろ」
「聖光国です」
よし、楽にしてやる。とドーラはつぶやいた。その男の全身は青い炎に包まれた。
ドーラは王都の上空に高く上がり、
王都全域を炎に包んだ。
抜けがないか見届け、その後聖光国に転移し、国全体を炎に包んだ。
ダンマスに念話を送り、動けなくしていた敵全軍の処理を頼んだ。
ダンマスは、監視所で一言「消えろ」。
眼下の平原にいっぱいに居た軍は一瞬で消えた。
「はぁ、今日はお腹いっぱいですねぇ、、」
ダンマスの?ダンジョンの?栄養になったのかな?と思ったユータ。
もう、かなりこっちに染まっている様子である。
だがしかし、魔法使いの子達は呆然としている。
ユータ、こっちでもかなりアレな方に行ってしまったのか、、、
「さて君達、剣で一人ひとり斬り殺すのと、一瞬にして消すのでは、どっちが残酷かな?」
「・・・剣、の、ほうです、、」でも、なんか違うのか違わないのかよくわからない魔法使いの子どもたち。
「戦争なんてさ、どうせ敵を殺すか敵に殺されるか、どっちかでしか決着つかないようになってんだろ?だったら一種で消して完全勝利のほうが安全でいいじゃん。決まってるだろ?」
と、監視班の班長マキシーが言う。
「さすがドラゴニアの子!わかってますね!何が重要なのか?がちゃんとわかる人間でないと、今の答えは出てきませんね。」
ダンマスは続けて魔法使いの子達に向かって
「貴方方は、あっちの嘘ばかりは溢れる所に居たので、何が重要なのか?すらわからないんです。その基準が無い。こっちのまともな国に入ったら、はやくそれを見つけ、自分のなかにしっかり持てるように成りなさいね」
ドーラが戻ってきたのは夕方になってから。なん箇所か寄り道していたようだ。
ほどなく日が落ち始めると、遥か遠くにあるはずの聖光国の方の空が青白く燃え上がっているのが見える。
「きれーだなー」と監視班の子達。
「ああ、綺麗にしてるんだよ、汚いクズどもを燃やして」ドーラ
「んじゃゴミ焼却してるんだ」
「あー、そうだなあ、それだなまさしく!」
元いた国の王都の炎はもう消してある。同じ地域にダンマスのダンジョンあるからね。森伝いにずっと行って燃え移るっても困るしね!
扉を使って邸に戻り、夕食後、敵の魔法使いだった子どもたちはそれぞれ2人ずつ、各班に配属することが決まった。
「ふつーのことをやるのがいい。」と、おかしな社会から来たのでリハビリ代わりということだ。子供らしく生活していくのに慣れるのが良い。普通の子どもたちに混じって。
と言っても、ドラゴニアの普通の子達は、学校で武技や魔法もかなりレベル高く教わるので、その魔法使いの子たちより技量は上だ。
後日、それを知ったその10人の折れ具合はひどかったという。
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